今年初めての作品が完成しました。

①十年以上も前に石屋さんから頂いた十和田石を何とかしたいと思っていましたが、近くの石屋さんに大鋸が置いてあるのを見て、石を半分に切ってもらいました。今はほとんど採れない十和田石(安山岩)と大理石を組み合わせてみようと思いました。

②この厚さだと自分でもカットできます。3つに分けました。

③上部の粗彫りが終わりました。四角い石は正面と側面が90度なので扱いが楽です。

④大理石との結合。

⑤下部との結合。大理石が不定形で割れがあったりで、予定していた厚みより5ミリほど薄くなりましたが自然の素材にはかなわないのでそのまま使いました。下部の石を少し大きめに取ってあったので、高さは予定通りです。

⑥石部分の細部の制作

⑦頭部の木彫部分の接合

⑧完成

 

 

コロナウイルス騒ぎの中、盛岡で個展を開きました。

感染者0の岩手県は他県から来る人に神経質になっていましたが、画廊に問い合わせると問題ないとのことでしたので、無観客個展もいい体験かと思い、予定通り開催しました。

画廊は重要建設物に指定された蔵造りの風情豊かないい雰囲気です。

 

 

初日、二日目と来客は数人でしたが、三日目に新聞二社に大きく記事が掲載されると、コロナに関係なく遠方からもたくさんの人が来てくれました。

盛岡は大学で彫刻を学んだ思い出深い街ですが、懐かしい人たちにもたくさん会えて個展をやって良かったと心から思いました。

 

 

今は少し個展疲れのような精神状態ですが、この盛岡の個展を力に次の作品制作向かっています。

やっと作品が出来ました。制作過程を紹介します。

①まずはイメージデッサン

はじめはこんなつもりででしたが、粘土でエスキースを作っていくと具象過ぎてつまらないのでどんどん変更していきました。

②最終的なエスキースはこうなりました。

住宅地での石彫の音はうるさいと苦情が来たので、30分以上かけて離れたところへ通い、石を彫りましたが、持ち帰って次の段階のデッサンをしてみると石が足らずやり直し。

③失敗例

今度はギリギリではなく大きめの石を使いましたが軽くたたいただけで二つに割れました。

④石の目は甘くない

⑤もう適当な石がないので、接着して使います。

削ると接着部分はあまり目立たないと思います。石の粉を埋めてありますが。

⑥石彫部分の完成。まだ石目の溝の修正や磨きはありますが。

⑦木彫部分の制作

はじめは楢の木を使いましたが思わぬ所から割れて修正できる状態ではなく、やむを得ずヒバを使いました。柔らかく彫り易いのですが、最終的な形がカチッとしないところが逆に使いづらい材料です。

⑧でもなんとか完成しました。この程度の大きさの作品に二ヶ月近くもかかったのは初めてでした。

青森も雪が降りました。多分今年の石彫の仕事はこれで終わりだと思います。

来年5月11日~16日に盛岡のGallery 彩園子で個展を開くことにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小品を作って見ました。

音のうるさい石彫のために、往復50キロ近い場所に通うのは大変なので、できるだけ少ない回数で済むものをと思い、小品を考えました。

①イメージデッサン

②粗彫りと接合:普通は2~3日かかる工程ですが1日でここまでできました。

③石彫部分の仕上げ・磨き・完成

④木彫部分の接合

ここまで3日と快調に制作を進めてきましたが、デッサンのように頭部に帽子をつけて掘り進んでいくとどうしても形が良くないので、石彫部分をやり直すことにしました。

⑤石彫部分の変更と頭部の検討

⑥木彫部分の接合

⑦「路地」完成:小品で簡単にと軽く考えていましたが、十分な検討なしに仕事を進めると結局無駄が多く、時間と労力がいつもの作品とあまり変わりませんでした。この経験をこれからの制作に生かしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

前作品の制作終了日の朝、突然形が頭に浮かび、制作を終えた夜にデッサンをし、それから丁度10日で完成しました。イメージから完成まで最速記録でした。

石を削る音がうるさいと苦情があったため、40分ほどかけて会員となっている別荘に行って制作したので効率よく制作を進めた結果だと思っています。「月泊」は別荘のある実際の地名です。制作しながら胸に象眼した大理石が月のように思えてタイトルとしました。

制作過程①デッサン

作品が完成したときは普段より少し良いワインを1本開けるので、この日は前作品の完成日で、結構酔ってから描きました。

②石選び。7月に制作した石の残りです。

③荒削り。といっても通うのに時間がかかるのである程度細部まで進めました。

④石の組み合わせ

⑤石彫部分の完成

⑥頭部の木材は前の制作で作り直した時の廃物利用です。

⑦それでも十分使えました。完成です。