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そんなこんなの、生まれて初めて都会の一人暮らしを始めたあゆみは、それまで雑誌やテレビだけの知識だったファッションの世界へ自らの意思で飛び込み、すなわちそれがあゆみにとっての社会人一年生の体験を積み重ねてゆく場でもあった。
1年生。
確かに1年目は無我夢中だった。
ひととおり仕事の段取りとその流れを掴むと、いよいよすこしずつ、モデルという仕事の面白さがわかり始めてきたあゆみは、現場でもどこでも口数少なく従順だったが、敢えてそのように振る舞える器量才覚が、叶子のようなおっちょこちょいには羨ましくも、また頼もしくも思えた。
歳だけは喰っていてもいまだ「うわついた老女」は、若い娘から逆に立派な教訓を得たと思ったものだった。
その現場で幾度か一緒に仕事をしたことがある男性モデルが、自宅でパーティーを開くという、モデル、スタイリスト、メイクアップアーティストなどの仕事仲間から連絡が回ってきた。
よほど羽振りが良いのか、それともエージェンシーがこのモデルに住居込み提供投資しているのか、あゆみには到底計りかねた。
20代前半の若さに加え、身体が資本のモデルというだけあって、身長190cmの小顔は確かにランウェイでは見映えすることだろう。
すらりとしたハンサムなら、腐るほどいただろうが、このパーティーの主催者のあの端正な顔の造り。
実は誰でもが知っているあの有名俳優と瓜二つだったとしたら、、、。
あゆみ「夢かと思いましたけど、、、マジだったんです!」