アミティ問題から市の公共施設マネジメントを考える | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

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兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・35才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

ただいま予算特別委員会・各分科会の真っ最中。
これまでの流れをふまえ、当然、厳しい質疑が繰り広げられております。
予算審査については改めてお伝えすることとして、本日はアミティ問題の続きをご報告します。

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(たかの)
2022年に現在のアミティホールを一定期間利用すると意思決定する際、これらの改修の必要性や金額について、どのような精度の検証が行われていたのか。今回の事態を招いた要因と責任の所在、今後の対応は。

(市当局)
予算的制約のあるなか、優先度の高い設備から順次、改修してきたが、舞台設備関係の改修設計は実施できていない状況だった。昨年12月末に、業者による2ヶ月に1度の定期吊物点検を行った際、反響板の巻き上げ機付近から異音が発生していることが判明し、安全のため、反響板が降下しないように固定する措置を実施した。このことにより、反響板の一部が利用できない状況が生じ、ご利用者やご来場者にご迷惑をおかけすることになったことについて、お詫びを申し上げる。反響板をご利用予定であった利用者には、状況を丁寧にご説明するとともに、4月中の復旧に向けて業者と調整している。市民会館は開館より57年が経過し、老朽化が進んでいることから、今般生じたような設備等の不具合により利用者にご迷惑をおかけすることがないよう、引き続き各種設備の定期点検を実施するとともに、修繕や改修工事を適宜実施していく。あわせて、将来の大規模な改修に備え、舞台設備改修設計を含め、必要な実施設計を行い、市民会館の機能維持に向けて検討していく。

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(たかの)
「舞台設備関係の改修設計は実施できていない状況だった」とのこと。音楽の公演に用いるホールである以上、構造躯体だけでなく、舞台設備も問題なく使用できる状態でなければ、その機能を維持できているとは言えない。その認識が甘かったのでは。改修設計が後手に回った結果、今回の状況を招いたこと、そのツケが中高生たちを含むホールの利用者に及んでいることを、当局は深く反省するべき。アミティホールに限らず、全ての公共施設について、建替・移転の是非やその時期を検討する上では、建物の維持管理に必要な要素を全て洗い出して、条件を比較するべき。特に「この建物をあと何年使うのか」が明確にならなければ、改修内容も決定できない。アミティの場合、この判断が遅くなったこと・現時点においても「2034年度以降」と曖昧な状態であることが、今回の事態を招いた背景にある。全ての公共施設について、必要な改修内容を精緻に検証した上で、具体的な使用年限を含めた今後の方針を早期に明確化すべきと考えるが、市の見解は。

(市当局)
各施設の予防保全として、共通して必要な屋上防水、外壁改修などの修繕項目は、公共施設の中長期修繕計画において計画的に実施し、維持保全を進めているが、各施設特有の設備などについては施設所管課が、施設機能を維持する観点から事業計画に基づき修繕を行っている。施設の使用年限については、建築系公共施設個別施設計画において、標準的な目標耐用年数を65年と設定したうえで、長期の使用が合理的かつ可能と判断した施設については、長寿命化における目標耐用年数を80年とすることを定めており、対象施設の竣工年次に応じて順次、躯体の試験等に基づく改修判断を進めている。議員ご指摘の通り施設整備等の事業を進める際には、検討に必要な要素を洗い出したうえで比較すべきものと考えるので、本庁舎周辺再整備構想をはじめとする個別の方針や計画に基づく事業のほか、各施設の長寿命化の検討を進める際などには、施設所管課の事業計画なども踏まえた上で効率的な整備となるよう対応していく。

(たかの)
公共施設の耐用年数や維持保全について、原則的な考え方をお示しいただいたが、本庁舎周辺の再整備に含まれる施設や、後ほど取り上げる集会施設のように集約・再編が想定されている施設においては、なかなか使用年限が定まらないのも実情かと思う。存続する施設と、廃止する施設をはっきりと決める。そして、存続する施設にはしっかりと、必要なお金をかけていくよう要望する。埼玉県八潮市で発生した下水管の破損に伴う道路陥没事故は全国に大きな衝撃を与えた。インフラ関係も含めた公共施設全般について、こうした観点で対策を進めるよう重ねて要望する。

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今回の事態を教訓に、本市における公共施設マネジメントの質を向上できるよう、今後も調査や提言を続けていきます。
それでは今日はこのへんで!