公立幼稚園と保育所の統合・再編について | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

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兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・35才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

前回お伝えした通り、今後の西宮市における幼稚園・保育所行政においては、公立園のあり方が大きな課題となっています。
私の一般質問の後、3月7日開催の教育こども常任委員会において「西宮市幼児教育・保育のあり方(案)について」の所管事務報告が行われました。

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本報告では現状の課題認識や目指す方向性など多岐にわたる論点が示されていますが、公立幼稚園と保育所については

・幼稚園では園児数の減少により一定の集団活動が行える規模の維持が難しくなってきている
・保育所の入所数は現時点では増加傾向が続いているが、全国でのピークとされる2025年から数年遅れで、本市においても減少傾向に転じると予想される

ことをふまえ、規模縮小・体制見直しを軸とした再編が掲げられました。

 


 

そして、具体的には、

・幼稚園と保育所を統合した公立認定こども園を各地域に設置する
・こども園へ移行しない幼稚園については、園児数の推移等を勘案したうえで閉園していく
・こども園へ移行しない保育所および民間移管対象外の保育所については、待機児童対策として行っている定員を超えた受入の解消にめどが立った段階で定員・規模を縮小していく

という取り組みが示されています。

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幼保一元化の流れや、私立でも幼稚園の認定こども園化が進められていることをふまえれば、公立園も認定こども園へ集約していくという考え方は一定、理解できます。
また、前回もお伝えした通り、私立園の経営環境に対する配慮として、需給調整機能、すなわち「こどもが減ってきたら公立園を閉鎖しますよ」という大きな方向性を示したことは評価できるとも考えています。

一方で、今回の方針には懸念材料も多くあります。
中でも私が問題意識を強く持っているのは以下の2点です。

◇公立園の規模が本当に縮小されるのか??
需給調整機能としての役割が明示されたということは、逆に言えば当面の間、公立保育所は一定の規模で存在し続けることになります。
私が公立保育所の民間移管を主張しているのは既報の通り。
過去の事案からも、保育所や幼稚園の統合や閉園は関係者間の合意形成等に大きなハードルがあり、そんなに簡単な取り組みではありません。
市内を8つの地域に分けたブロックごとに再編を進めるとしていますが、実現には長い期間を要することが想像されます。
再編は今後概ね10年間で行うとされていますが、取り組みがあまり進まず、結局は公立園がこれからもずっと、今とあまり変わらない規模で存続することを危惧しています。
今回の答弁や方針を、私は「すでに民間移管対象として定められた3園以外は民間移管しない」という意味で受け止めましたが、想定通りに再編が進まない場合には、民間移管も選択肢の一つとするべきだと主張しました。

◇1号園児の3歳児受入について
現在、公立幼稚園は4歳児・5歳児のみを受け入れていますが、新設の公立認定こども園では1号園児(=幼稚園児に相当)の3歳児も受け入れるとされました。
これは、実質的に公立で受け入れる園児の拡大を意味しています。
本市の幼稚園は戦後、私立園が公立園に先行して開設され、多くの児童を受け入れてきました。
言い換えれば、行政の手がなかなか及ばない時期から、私立園が本市の幼児教育を支えていたということです。
後に開設されるようになった公立幼稚園は、私立幼稚園との競合を抑えるため、4歳児・5歳児のみ(当初は5歳児のみ)を受け入れてきたという経緯があります。
それが今回、ただでさえ児童数が減っているというのに、全体の再編とあわせて3歳児も公立で受け入れるという話に。
そりゃ私立幼稚園さん怒りますよ・・・
本題からは少しそれますが、本件に限らず、市の幼児教育・保育施策においては、待機児童問題に注目が集まっていることから、どうしても保育所を中心に議論が進んでいるような印象をずっと受けています。
私立幼稚園や幼稚園型認定こども園も預かり保育等の実施を通じて待機児童の解消に寄与していますし、幼稚園に通わせたいというご家庭やそのこどもも、同じように大切にされるべきだと思うんですよね。
この観点は、これからも持ち続けていきたいと思っています。

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この件、今後の幼児教育・保育行政における大きな論点となっていきます。
5月以降も議席をお預かりできれば、しっかりと議論にコミットしていく覚悟です。

それでは今日はこのへんで!