市が行うべき文化施策とは? | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

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兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・35才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

先週末はドットジェイピーさん主催の議員交流会へ。

自分が参加してから13年か~、としみじみ。

私がいつも大事にしている「18歳の自分に誇れる生き方をしているか?」という視点を、改めて思い出させてくれる機会です。

今回も前向きなインターン生たちと出会えることを楽しみにしています!

 

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さて、本日は市の文化行政に関するご報告の続きを。

前回「文化は大事にすべきだけど、市の関わり方には疑問がある」と書いたところ、たくさんのお声を頂きました。

では、私の考える「市が行うべき文化施策」とはどのようなものか?

今回はこれをお伝えしていきたいと思います。

 

文化に限らず、行政が担うべき役割は「民間では提供できないサービスを提供する」ことだと思っています。

この感覚はおそらく多くの方と共有できる…というか、公共政策の最も基本的な考え方ですよね。

 

この観点に立った時、民間では提供が難しい(=採算が取れない)文化事業として、例えば

 

・青少年の育成

・普段、文化に触れることが難しい方に対する機会の提供

 

等があります。

西宮市の場合、前者は西宮少年合唱団の運営や未就学児を対象とした企画が該当するでしょうし、後者としては児童養護施設や高齢者施設へのアウトリーチ事業が実施されています。

こういった事業は、市の責任において推し進める必要があると考えています。

 

一方で、西宮市の外郭団体である文化振興財団は、プロによるコンサートや寄席、映画の観賞会等も企画しています。

…それ、税金使ってやらなきゃいけません??

市がやらなくたって、そうした場はいくらでもありますけど。。。

市はその意義を「低廉な価格で、質の高い芸術に触れていただく機会を提供する」と説明していますが、それって言い換えれば「普通に観に行ったら3,000円するコンサートを、1,500円で行けるようにします(差額は税金)」ということ。

そんな機会を年に何回かだけ用意することが、文化の向上に繋がるとはどうしても思えないんですよね。

そりゃ、安くコンサート観に行けたら嬉しいけどさ。。。

 

他にも、財団が実施する講座やセミナーの中には、市の他の部署・事業(公民館・宮水学園・大学交流センター等)と趣旨が重複するものも見られます。

youtubeでは「西宮市文化振興財団チャンネル」を開設していますが、視聴回数が2ケタにとどまる動画が複数存在しており、十分な効果を上げているとは言い難い状況です。

…同じような話、観光協会でもあったな。。

 

 

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私は、こうした財団の事業を改めて検証し、抜本的に整理・見直しを行うべきと考えています。

また、新しい事業を始めることにも極めて慎重であるべきです。

えてして、事業は始める時より終える時の方が労力を使うので。

 

この主張の背景には、お金の問題はもちろんですが、事業を本当に必要なものだけに絞ることで、組織をスリム化したいという思いがあります。

というのも、市は財団に対して9名もの職員を派遣しているんですよ。

 

外郭団体の運営は本来、市から独立して行われるべきですし、近年は行政ニーズの多様化等を背景に、市役所の人員不足を懸念する声があがっています。

さらに、現在の市役所では新型コロナへの対応に多くの職員が動員されており、不要不急の業務を停止している状況です。

…そんな中、市外部の組織に何人もの職員を派遣してる余裕ってあります??

市は早期に職員派遣を取りやめるべきですし、そのためには事業の整理が絶対に欠かせないんです。

 

市は私の指摘に対し、

「市民により豊かな文化事業が提供できるよう常に見直しを図り、効果的、効率的な事業運営に努めるよう求めていく。」

「市からの派遣職員の比率をさらに下げるなど、財団の独立性なども総合的に勘案しながら、体制の見直しを進めていく。」

と答弁しました。

それなりに前向きな文章ではありますが、ほんまに実施するんか?という点については、かなり懐疑的です。

やり取りの中で、市・財団とはかなりの温度差を感じたもので。

今後の展開を厳しく追いかけていく所存です。

 

それでは今日はこのへんで!