友輝母「今日はお茶漬けの日よ～」
友輝「で、お茶漬けな訳ね」
修学旅行も終わり、友輝は束の間の休日を過ごしていた。
友輝「なんでお茶漬けの日なの？」
友輝母「そんなの知らないわよ」
友輝「なんだそりゃ」
特に予定もなく友輝は旅の疲れを癒そうと思っていた。
そんなときに友輝の携帯に通知が届いた。
友輝「ん、なんだろ」
友輝母「食事中にいじらないの」
友輝「はいはい」
食後、改めて内容を見る。
「エレナ:今日学校で撮影会しな～い？」
エレナ:このままじゃ餓死しちゃ～う」
友輝「…」
「友輝:ご冥福をお祈り申し上げます。
エレナ:お願い～
友輝:そもそもモデルいるんですか？
エレナ:学校にたくさんいるわ～」
友輝「それ撮影会って言わないでしょ…」
「友輝:わかりましたよ…
エレナ:ありがと❤︎」
友輝「はぁ…」
友輝「なんで今日なんですか」
エレナ「仕方ないじゃない、やっと二年生の娘たちが撮れるのよ～」
友輝「篠宮さんにも止められてるじゃないですか」
エレナ「そのうち落ち着いてくるわよ」
友輝「まあきっとあなたを止められる者はどこにもいないでしょうね」
エレナ「さあ行くわよ～！」
友輝「お～」
友輝「で、獲物は決めてあるんですか？」
エレナ「それがまだなのよね～。誰からいこうか迷っちゃう～」
友輝「そう言いながらすれ違う生徒をむやみやたらに撮らないでください」
エレナ「友輝くんのおすすめっていないの～？」
友輝「おすすめなんていませんよ。いても望月先輩に先を越されてますよ」
エレナ「それもそうね」
友輝「あっ、あそこでなんかやってますよ」
エレナ「あれは演劇部ね～」
友輝「演劇部ですか。うちの演劇部は結構実績もあるみたいですね」
エレナ「そりゃそうよ～。あんなに可愛い娘たちがいて評価されない訳がないわ～」
友輝「多分そんなの審査基準にないですけどね」
エレナ「萌果ちゃ～ん、真弥ちゃ～ん、和花那ちゃ～ん！」
友輝「俺って一体…」
萌果「あれ、望月せんぱ～い」
真弥「男の付き人なんて珍しいですね」
友輝「あ、どーも」
和花那「また来ちゃったの？」
エレナ「また来ちゃった」
萌果「高野友輝先輩ですよね？」
友輝「え、知ってるの？」
萌果「何人もの女子生徒を手玉にとってるんですよね」
友輝「え？いや、そういうわけじゃ…」
萌果「朝比奈さんが彼女はいないけど近しい娘がたくさんいるって言ってましたよぉ」
真弥「あ、凪子が言ってたやつか！」
友輝「あの二人…」
萌果「私も混ぜてください」
友輝「え？」
萌果「先輩が見てくれないなら私が先輩の前にいきますよぉ」
友輝「えっと…」
和花那「ほら、そろそろ続きやるよ」
萌果「はーい」
真弥「分かりました」
萌果は去る前にこんな言葉を囁いた。
萌果「今度は二人で会えると良いですね」
エレナ「じゃあレッツ撮影タイムよ～！」
エレナ「いい写真がいっぱい撮れたわ～」
友輝「お力になれてよかったです」
エレナ「次はどこに行こうかしら～」
友輝「あ、まだ行くんですね」
エレナ「もちろんよ！まだまだ食い足りない…ぐふふ」
友輝「怖いです、望月先輩怖いです」
「おっ、暇そうな二年生発見」
エレナ「あっ、砂夜ちゃん」
砂夜「やっほー。男の子なんか連れて珍しいわね」
エレナ「さっきも言われた～」
友輝「高野友輝です」
砂夜「知ってるわよ。2年C組の高野友輝。軽音楽部のバンド、にゅーろん☆くりぃむそふとのマネージャーをやっているのよね」
友輝「今日は俺を知ってる人にしか出会わない…」
砂夜「好きな食べ物はラーメン。普通ね」
友輝「余計なお世話です」
エレナ「砂夜ちゃんは学校中のみんなのことを知ってるのよ」
友輝「怖い。望月先輩並みに、いや、それ以上に怖い」
砂夜「誰か気になる子のことを知りたくなったら私に聞いてね」
友輝「一応ありがとうございます」
エレナ「で、何か高野くんに用があったみたいだけど？」
砂夜「そうそう、今度の学校新聞で修学旅行特集をやろうと思ってるんだけど明日インタビューしようと考えてたんだ。でもちょうどいいところに君が現れたから」
友輝「インタビューですか。お力になれるか分かりませんが」
砂夜「大丈夫よ。何したのかとかどうだったとかそういう感じだから」
友輝「分かりました」
砂夜「なるほどね…。うん、ありがとう。助かったわ」
友輝「いえ。それより望月先輩どこいったんでしょうか」
砂夜「そういえばいないわね。今日だとプールで水泳部の撮影とかやってそうね。まあ頑張って探しなさい。じゃあね」
友輝「…あのっ！」
砂夜「ん？なに？」
友輝「その…椎名さんってどんな人なんですか？」
砂夜「あー、ちょっとまってね。えっと、2年B組、新体操部のエースね。好きな食べ物はメロンパン、嫌いな食べ物はツナ。アロマキャンドルが趣味で完璧に見えるけどちょっとおっちょこちょいな面もあるわね」
友輝「そうなんですか…」
砂夜「あ、誕生日が5月31日ね、もうすぐじゃない」
友輝「…ありがとうございました」
砂夜「いいえ。頑張ってね」
友輝「はい」
後編はこちら→第１８話「荒ぶる先輩」(2/2)