伺ったお話の中で
とても興味深かったのは、
えびすさまのお話。
えびすさまって
鯛を片手に福福しいお顔で
釣竿を持っています。
とても身近なところでいうと
みなさんご存知、
エビスビール
えびすさまがトレードマークです。
見たことありますよね
そんな彼にも実は
とってもハラワタ煮えくり返るような・・・
怒り心頭の事件があったんです。
こんなに笑顔の裏にそういうことがあったのは意外です
その事件とは・・・
えびすさまは
夜毎中海をわたって、お気に入りの
ミゾクイ姫命のもとに通っていました。
ある日、一番鶏が時間を間違えて
まだ夜が明けないうちにトキの声をあげました。
えびすさまは大慌てで船を漕いで戻ろうと
しますが、うっかり櫂を海に流してしまいます
船の舵をとる手立てを失ったえびすさまは
仕方なく左足を櫂の代わりにして急いで船を漕いでいました。
悪いことは続くもので
こういうときに限って、その左足を
なんとサメにかじられて
大怪我を負ってしまいました
さぁ大変
えびすさまは命からがら何とかして
美保の関にたどり着きました。
心も体もヘトヘトになったそんなとき、
今度は正確なトキの声が聞こえてきました。
もう、これには
えびすさまも怒り大爆発
「鶏がうっかり時間を間違えたばっかりに
櫂を海に流してしまうし、
苦し紛れに左足で漕いでいたら
サメにかじられて大怪我してしまったじゃないか~
ウリャ~
この鶏め絶対にゆるさん」
弱り目に祟り目
泣きっ面にハチって感じですね・・・
えびすさまをよ~く見てみてください
これが実はサメにかじられたときの
傷のためなんですって
そうとう大怪我だったんですね・・・
そう、それからというもの
えびすさまは
鶏がだいっ嫌いなんです。
もう、それはそれは嫌いなので
生きた鶏だけでなく、
鶏肉も、卵も、ましてまして、鶏の鳴き声は
もーーーーっと嫌い
これは、神話です。
でも、美保神社の氏子、神職は
なんと今でも基本鶏肉は食べないそうです
もちろん、卵も食べないんですって
ケンタッキーは絶対入ってこれません
神話でのお話が
こういうところでしっかりと息づいて
いることに感動しました。
旅先ではこういう出会いもあっていいですね。
本当に素敵なお話をありがとうございました