スキー用語194「ばね」 | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ

「ばね」とは
物体が元に戻ろうとする力を利用した部品
及びその仕組みの事です

身近なものに「圧縮コイル(螺旋)ばね」
があります
ゲームボーイの電池ボックスや
びっくり箱に仕込まれていて
縮んでいるのを解放すると
物を飛び出させたりビヨンと弾かしたりします


一方で「板ばね」があります
弓矢の弓や車のタイヤ室を見ると
付いているのがそれで
曲げると復元する勢いで矢を射ったり
ショックを吸収できます

定規で作った「しっぺ」や木の枝、スキー板も
同じ性質を持っていますね
スノーシューと違い 木で出来ているカンジキも
しなりを利用できる履き物です



板ばねをより機能させる為には
静荷重時点での沈み込みを考慮して
アーチ形状とします

スキー板においてはキャンバーとして
現れていますね
前回193を参照下さい




弓などとスキー板が違うのは
雪面に接している事です

この為 ばね形状の特性を活かすには
①下部に空間を作る事と
②大きな圧縮力(押す力)が必要です

①として
コブとコブの間に立ち、センターが浮いた状態で
脚を曲げ伸ばすとビヨビヨとしなります

また、体を寝かせて板を起こし、
同じく曲げ伸ばしすると出来ますが
コツが要ります

ポイントはトップとテール付近のエッジだけ
雪面に掛かっていないと しならずに
板全体がそのまま移動するだけになるので
雪面内部方向に圧を加えつつ脚を伸ばすように
する事です

力の方向としては「斜め下」になります
土踏まずに付いたドロ(ベト)を
雪になすりつける感じですね

雪が柔らかいとエッジが掛からず
ズズズと沈んで撓みにくいので
アイスバーンの時などやってみましょう

側面にアールが付けてあるカービング板では
板を起こした時に空間が出来やすくなっています
アールが深い程顕著なので スラ板など履くと
実感しやすいでしょう

支えがあれば良いですが
滑ってる最中に板を起こすには
遠心力が無いと無理なので
ある程度のスピードが求められます
クランマーターンだと練習出来ますね



②に関しては
体重を増やす、脚力(踏力)を強める、
スピードを上げる、強く蹴る、ジャンプする
などが考えられます

脚の長さは関係無い?(´∀`)

フォームとしては
上に伸びず(谷へ谷へ向かう)中腰
でベンディングになります


浮力とばね的性質を分業させた
板を作ったら面白いかもです
雪上ホッピング的な?(^。^)
跳び箱のロイター板のような構造が
良さそうですね

次回は195「モーメント」です

スキー指導員 高波太一