スキー指導用語54-2「あいのこプルーク」続き | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ

【滑り方】

1.スタート方法は教程に準じます
↑SAJテキスト「日本スキー教程」2019
P37より

※スキーをそろえて とありますが
(直滑降スタート)
プルークの種目ですので
ここはプルークファーレンでスタートします

2.まずプルークスタンスに構え、センター荷重で
直滑降方向に正対します
3.カカト(クルブシ)荷重で足首の前傾角は
ブーツのベロに軽く触る程度
4.拳の位置はヘソを触って開いた所
ストックは先端を引きずります
5.上体はスネの角度に合わせてやや前かがみ
姿勢は中腰
目線は はじめゴールを見ます

6.迎え角を小さくして滑り始め
脚の長さを変えないまま
テールで押しずらしを使いプレターン
目線はコース端へ
7.プルーク斜滑降(斜行プルーク)で進みます

※この時雪質や要求により
両膝をガニ股気味にし、
小指でアウトエッジを踏むようにして滑走面を
フラットに近付け、抵抗を減らして
板を滑らせます(平踏み)
※斜度のある所やアイスでは普通にインエッジで
滑って問題ありませんが
緩斜や春雪ではこれをしないと失速します
※技術的には高度な操作になりますので、
すでに5級とは別物になっています

8.時計の12時手前で
センター荷重のまま外脚を押しずらし、
山足片プルークで減速
9.のちわずかな順ひねりでもって
ややずらし(回旋させ)ながら谷回り
※シュプールはターン前半を膨らませる
「つの字」になるように
※姿勢は一定を保ち、強いて外傾を取ったり
内足を畳んだりしません
※両脚を同じ長さに保ち重心移動しないので
外足がターン外にスライドされた結果
やや重心が下がり、内足荷重寄りの姿勢と
重心位置になります

10.少しファーレンしたら
またわずかな順ひねりとずらしで
斜滑降方向に向きを変えます
※ファーレンの量は設定斜面の距離に依存します
4ターンに収まるよう調節しましょう
※あからさまな外傾や内傾、重心移動、
ローテーション、逆ひねり、回旋動作は
ここでは良しとされません
※終始正対したままで上体や足首の角度、
ストックの位置は変えず
肩の角度は斜面に合わせます
※斜度に関わらずプルークスタンスを
終始保ちます
雪面抵抗が来ても内足の内旋が緩んで
パラレルにならないように調節します
(「上手すぎる」と言う状態)
※全く自然な運動ではないものの外力に
負けず、技術の幅を広げる為の訓練の一貫と
足に念じて滑ります
※外足を伸ばし過ぎてしまって
角が立って板が走るのは推進に寄り過ぎます
あくまでも制動技術と言う建前で滑ります

11.ニュートラル姿勢(スタート時の姿勢)
にし、7.に戻ります
12.これを4ターン繰り返し、
最後にインエッジの角付けを強めると共に
テールを押し開き、ポールで指示された
エリア内にて山回り制動で停止します

※心の中でターン数を数えましょう
検定の空気に呑まれて頭が真っ白になると
ターン数オーバーか足りない恐れがあります

13.検定員に礼をしてコースアウトします


【総評】
・スピードは出しすぎず遅すぎず
お手本でありますから
丁寧にブレずに演技します

・感覚だけでは綺麗な型は作れません
必ずビデオに撮ってもらい、確認しましょう

・検定員・県連ごとに解釈の違いがあり、
外足気味でボーゲン寄りの指導をする方と
内足気味でターン寄りの指導をする方に
分かれます どちらを言われても
対応出来るようにしておきましょう

・後者の場合は8.でセンター荷重のまま
内足を軽く曲げ、外足はやや伸ばすようにします
その後11.で曲げてあった内足を伸ばし、
ニュートラルに戻ります(DVDでは後者)

・膝の位置によるエッジコントロールがカギです
アウトエッジ操作が苦手な方は
内足ターンや山足横滑りで
アウトエッジに乗れるように練習すると
良いですね(╹◡╹)


次回は55「横滑りの展開」です

スキー指導員 高波太一