スキー指導用語50-1「クラ」 | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ

「クラ」

・80点(ハチマル)
・検定会検定
①実践おおま(急斜ナチュ)
②総滑(総合ナチュ)
③実践こま(急斜ナチュ)
④実践コブ(中急斜不整地)
※こちらも不整地大回りは無くなりました

SAJ HP 規程・規約526-Ⅰ①より


【概要】
テクに引き続き2段に当たるものが
クラウンプライズ、略して「クラ」と
呼ばれるものです

・種目はテクと全く同じです
・テクとの違いは
多様なスピード・斜度・雪質の中で
状況と要求に合わせた滑りを選択し、
体現出来ているかどうかを見られるという点です
・スピードが出ているにも関わらず
バランスが取れ、一つ一つの動作がテク以上に
正確である事が良しとされていますので、
そのように表現する必要があります


【受験資格】
①テクを持っている事
②事前講習4時間を修了している事
※単位の保存はテクと同じ
※年齢制限無しはテクと同じ

【各種目】
①実践おおま
・まず雪質が悪かろうが斜度が無かろうが
他のスキーヤーに比べてスピードが速い事が
求められます
・ナチュラルスタンス、低い姿勢でスタート
重心が遅れないように手を前に出し、
気持ち前傾姿勢になります
但、前傾過多にならないよう気をつけましょう
・スピードに乗るまでスケーティングしたり
直滑降を続けます
・ある程度スピードの出た所でプレターンのち
遠心力を利用して斜め前方(谷方向)に重心移動
中腰クロスオーバーさせたら
脚を伸ばして板に加圧しつつ
両の爪先を立ててトップから板が雪に
食い込んでいくようにします
・雪が硬い場合は踏み過ぎず雪の内面方向に
力を加えエッジングを
・ストックは強く突かず、用意だけして
内傾した時に結果として雪面に触るようにして、
あと引きずります
・この時、アイスバーンや急斜面ではスピードを
落としすぎない程度に回旋と底背屈で3Dに足首を動かし、浅い迎え角のずらし
(あいのこ・トップ&テール操作)で
スピードコントロールします
・ターン後半、時計の4時頃から
脚を畳み始めると同時に
中腰に戻し、板は斜滑降方向に進む一方で
重心はニュートラル(センター荷重)
に移動させます
・バーンが広ければそのまま
バランスを取りながら平踏みの斜滑降で進み、
次のターンに接続します
・ゴールラインを切ったら必ず停止します


②総滑
・やはりスピードを出さなければなりません
・途中までは大回りと同じです
・バーンの設定、状況に合わせて
数回のカーこまを挟みます
・急斜では深く、緩斜では浅く
ターンすると良いでしょう




③実践こま
・スピードを出すと言うより
基本的に落下運動する中で 
減速が少なくなるように滑ります
・スタート前に複線(2本のフォールライン)を
想定し、それを交互に板が縫うような
ライン取りをします
・ウェーデルンでなく、小さく素早く
中回りのようにターンします
・板に乗っているだけでなく、自ら意識的、
能動的に早く板を動かして行きます
・ベンディングを活用し、重心、手、胴体は
下へ下へと移動させていきながら
板はお尻の後ろで左右に
動き回っているようにします
・脇の下と足の接雪点・脇の下と石突とを
繋いだ辺が作る円錐に
体の軸が沿うように弧を描きます





④実践コブ
・コブの形状によりますが、基本は
実践こまと同じです
・ナチュラルとの違いは様々なサイズに
弧を制限される所です
・ピボットを使う極小〜間延びした中回りに
近いものまでが大小連続し、
それらにターンサイズを適宜合わせて滑ります
・合わせてクイック、浅回り、深回し、普通を
組み合わせてコブの形状に合わせます
・また、凹凸がある事から
吸収やジャンプ、回避をこれに加えます
・吸収は峠の登りにぶつかってからでは
遅いので、ぶつかる寸前に自ら
脚を畳む吸収の為のベンディングをします
・他の種目と同じくスピードを出さなければ
ならないので、雪質と斜度によりますが
谷回り後すぐに板を斜滑降方向に向けず、
直滑降の時間を取る(待つ)操作が
必要になります


続きます

スキー指導員 高波太一