コロナ陽性者は現状HER-SYSというシステムを使い陽性者情報をシステム入力・一元管理している。
医院や研究所は陽性者を確認したときに入力する。
これに陽性者のコロナワクチンの接種状況を打ち込めばリアルタイムで有効性を出せて当たり前かと思う。
が現状日本において有効性の数字はリアルタイムには出てこない。
なぜなら、HER-SYSへのワクチン接種情報入力が任意だからである。
各医院での入力を強制せず、発生届を手書き入力してそれを自治体にFAX送信。それを自治体で代理入力。
そうすると手書きだと必要項目を書かずにFAXできてしまい、結局データとして不完全なものができあがる。

どこまでいってもボラティリティの高い情報しか出しようがない。
(一応大阪府はちゃんとデータ公開している。が上記の理由でワクチン接種歴の情報は100%正確とはいえない)


https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00406149/ikkatsu.pdf

コロナの実態をつかむなら陽性者情報に細かい情報入力を強制するシステムにすればいいのにしない。
この辺にデータ分析の重要性を理解してない感じが垣間見れる。
Her-Sysの入力項目は以下であるが、

もし最低限信憑性の高い下記データがあればコロナ患者に関し、相当程度実態公表できたであろうので、残念でならない。

①マイナンバー
→無い(もちろん非公開だがワクチン接種データ等とリンクできるので、そもそも接種歴を入力しなくてよくなる)
②体温→
症例に記載されるだけでデータ化されてない
③無症状・軽症・中等症・重症のカテゴライズ
→適当にしか記入されてないからデータとして使いにくい
④基礎疾患の病名(喫煙含む)
→ある程度書いてもらっているようだが徹底はされない。
⑤最低限の投薬情報
→無い
⑥ワクチン接種歴
→書かなくても問題ない
⑦後遺症
→無い

結局分析に耐えうるデータが作られない。
だからだろうが、大阪市でもこのデータをCSVで取得できるものの公開したことはない。
実務的に難しい面はあるにしろ、マイナンバーにひもつけて陽性者に入力を促すとか、
疫学調査の情報も陽性者に入力してもらうとか、色々やりようはあったと思う。
このデータ分析は何よりも重要なことだと私は思っている。
ここでデータが取れないから、別途母集団の少ない調査を別途繰り返すことになり、かえって非効率になっている。
それでも何らかの分析はできるので大阪市にはHER-SYSデータをオープンデータ化するように要請しているが、ICT推進室から保健所に派遣している人だけではとても余力が無いとのこと。第5波が落ち着いたときには出せるとは思う。

国が作ったシステムは、E-TAXにしろ、マイナポータルにしろ、登記システムにしろ、使いにくいものしかない。
データ分析も含めた意味あるシステム構築をしてほしい。