今年の5月に就職した長男が休日を利用して実家に帰ってきた。同じ東京都内ながら社員寮と実家は距離が離れているうえ、向こうでの生活もあるのでちょくちょく帰って来るというわけにはいかないようである。▶とくに妻が喜び、手作りの料理をと考えていたが、それは2日目にして、初日は以前から家族で行きつけの寿司店に行った。妻も長女も筆者も長男の仕事ぶりや生活が気になる。「どういう仕事をしているのか?」「仕事の時間帯は?」「食事はどうしているのか?」「休日はどう過ごしているのか?」―三人から矢継ぎ早に質問が飛び、長男は時に笑いながらひとつひとつに応えていた。2日目は長女は仕事で帰宅が遅くなるとのことだったので、三人で妻の手料理で食事した。▶帰りがけ、妻と一緒に駅まで送った。会社はやはり社会の縮図。様々な悩みもあるとのことだった。会社を辞めたくなる時も。会社が自分自身に合わないためすぐに転職を考える、というのもひとつ。筆者たちの駆け出しの頃のように、石の上にも三年で何でも我慢ばかりを強いるのは避けたい。一方でいろいろあるが、当面はそこで頑張ってみるという考え方もある。経験上、長くいるからこそわかることが多々ある。長男には後者を勧めたが、話している感覚ではまだ頑張れる気がした。▶「ありがとう。もうしばらく頑張ってみるよ」―電車に乗ってすぐに長男からラインが来た。「またいつでも返って来いよ。待ってるぞ」―嬉しさいっぱいで返信した。  (虹)2025.07.25—