産経新聞「日曜コラム」

2024年8月18日(日)

「ああ日本の8月よ」

さだまさし

シンガーソングライター

 

 


「日本人は原爆の日や終戦の日がある8月だけしか平和について考えない」―頻繁に耳にする言説。

 

私としては「日本人は」と十把一絡げに一般化する言い方には賛同しかねる。


それはきっと新聞やテレビなどマスコミが主に8月にしか平和について取り上げないということだろうと思っている。

 

マスコミが取り上げようが取り上げまいが、だれかれから評価されようがされまいが、忘却と闘い、平和を願い平和実現を目指した活動に四六時中、一年中、ライフワークのように取り組んでいる人たちがいる。

 

「日本人は」などと一般化した言い方は、そうした人たちに何と失礼なことか。もちろんそうした人たちはそんなことは歯牙にもかけずに、自らの信念のままに活動を続けている。

 

さだまさしが日本の行く末を憂えた最後に「国の100年後を思うのであれば、最も大切なものは教育であるべきだろう」(同コラム)と主張する。まったく同感。

 

かつて、詩人であり哲学者にして平和運動家の方の著作を読んだ際、そこには「四権分立」が説かれていた。「立法権」「行政権」「司法権」の三権に加えて「教育権」を立て、様々なものに左右されず、学校教育をはじめ未来を担う人材の育成に注力すべきだと。