神奈川県に知人夫妻を訪ねた。先月、夫妻のお嬢様が肺大動脈血栓のため緊急搬送された。搬送中に心肺停止、集中治療室でエクモ(人工肺)が装着されたが、現在エクモは外され個室に移っている。いまだ意識不明。▶いてもたってもいられず自宅にうかがった。夫妻はお嬢様の病状を伝えてくれた。脳幹に損傷はないものの、低酸素脳症により今後意識が戻る可能性は低いと医師から伝えられたと言う。▶「今も娘は普段どおり眠っているようです」「でも、どんな病状であれ、医師が何と言おうと絶対に諦めるわけにはいかないんです。必ず必ず娘の意識が回復し、元気になって戻って来られることを信じ抜き、祈ることが親の私たちの闘いです」。母の叫びだった。泣きながら話される夫人を見て、筆者も涙が溢れた。▶「私もさらに強く祈ります。お嬢様が我が子だと思って、必死に祈ります。ご両親もどうかお体に気をつけて」と伝えて夫妻宅を後にした。「こんなに暑い中、ありがとうございました」と筆者に気を配り、夫妻で自宅の外まで見送ってくださった。▶ ソーシャルメディアやメールでお見舞いを伝えることは簡単なこと。でもそれでは夫妻がどういう気持ちでいるのかは絶対に分からない。会わずして心は通い合えない。行ってよかった。会って話して本当によかった。「絶対に助けるぞ」―エアコンが故障し、汗が噴き出る車中、あらためて誓った。(虹)2024.07.07-

 

(石巻ど根性ひまわり/2023年7月筆者撮影)