YAMAHAのLAで弾き語り。

 

歌とギターコードが一緒に出て来たのが松山千春「街角」

 

1985年7月10日に発売された、アルファレコード移籍第一弾のオリジナルアルバム『明日のために』に収録されている個人的に大好きな曲。

 

 

タイアップしたツアー「虹のかなた」は『明日のために』発売前、私が高校3年、1985年6月28日の山梨県民文化ホール(当時名称)に行った。「街角」はセットリストには入っていなかった。

 

大学入試に向けて完全に勉強態勢に入り、「天王山の夏」に差し掛かかろうとしていた時期、このコンサートだけは受験勉強を忘れて参加した。

 

1980年に松山千春らが設立し、「浪漫」を抱(いだ)いて船出したNEWSレコードが5年で倒産、松山千春はアルファレコードに移った。

 

その関係だと思うが、あの時期、ツアー情報も、アルバムリリース情報も入って来ない。「千春、どうしちゃったのかな?」と思った時期であり、松山千春にとってはキャリア史上、最も苦しい時期だったかもしれない。

 

上に書いた山梨での公演にもその傷心が色濃く表れていて、「NEWSレコード倒産、俺は落ち込んで歌う気になれなかった」(主旨)と語っていた。

 

公演の最後にファンがステージに押し寄せ、私もステージのヘリに手を触れられる所まで行き、松山千春と一緒に泣きながら大合唱した「旅立ち」は絶対に忘れない。

 

夏になると「街角」が聴こえてくる。同時に大学入試に向け声を掛け合いながら頑張った友だちと、ステージいる傷心の松山千春を思い出す。松山千春と歌った「旅立ち」が蘇ってくる。

 

関連して、2024年6月16日放送の「松山千春 ON THE RADIO」で、NEWSレコード存在当時所属していた男性3人グループ阿呆鳥の「物語」をかけたが、曲の前に「ちょうどその頃、NEWSレコードというレコード会社があったので、そこから(阿呆鳥は)デビューしました」と話した。

 

久しぶりに松山千春本人から「NEWSレコード」という言葉を聞けた。

 

 

 

もう一曲弾き語ったのは中島みゆき「旅人のうた」

 

 

1995年5月にシングルとして発売され、ご存知のとおりドラマ『家なき子2』の主題歌に使用された。アルバム初収は翌1996年3月21日に発売されたベストアルバム『大吟醸』

 

 

私の母の命日は3月29日。1996年の母の命日の何日か前に山梨の実家に帰り、父と妹と一緒に母の墓参りをした。

 

その夜、東京への戻りがけ、当時、山梨駅の近くにあった地元のレコード店で『大吟醸』(CD)を買った。

 

買ったのが3月21日の発売日だったか、その数日後だったかは記憶にないが、ほぼ発売と同時に買ったことは間違いない。

 

「旅人のうた」は『大吟醸』と同じ96年の10月に発売されたアルバム『パラダイス・カフェ』の1曲目にも収録されているが、こちらは2nd version。重厚なアレンジで仕上げているシングルバージョンに比べると、テンポがありライトな感じに仕上がっている。

 

 

どちらもそれぞれにいい。私が弾き語りでイメージしたのはシングルバージョン。力を込めたストロークで。

 

個人的にはこういう歌詞の世界は大の好みなので、歌に気持ちを入れやすく、ギターにも力が入る。

 

「旅人のうた」を聴くと、今は亡き父と、妹と一緒に行った母の墓参りを思い出す。「旅人のうた」を弾き語ると、今はもうないかな?あの”町レコード屋”と言っていい、ふるさと山梨のレコード店を思い出す。