2023年2月に公開された映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』 が、2023年第78回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞を受賞した。

 

2024年2月14(水)に行われた第78回毎日映画コンクールの表彰式には、原告遺族の紫桃隆洋さん、只野英昭さんも登壇され、吉岡和弘弁護士、齋藤雅弘弁護士も駆けつけた。

 

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本作品の寺田和弘監督の受賞に際してのコメントが2024年2月13日毎日新聞(東京夕刊)に掲載されていた。

 


◆ドキュメンタリー映画賞 寺田和弘監督 「『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち」
 ◇遺族目線に徹して記録
 「肩の荷が下りた気がします」。受賞の喜びより安堵(あんど)を口にした。
 東日本大震災で犠牲となった、宮城県石巻市立大川小の児童の遺族が起こした訴訟を記録した。震災直後から遺族が撮影した映像を基に、関係者へのインタビュー、事実経過の説明を交え、全面勝訴までの粘り強い取り組みを追った。
 テレビのディレクターとして社会問題を扱った番組を長年制作してきた。だが今回は報道の中立性より「真実を知りたいと願う気持ち、客観的な記録では感じ取れない思いを伝えよう」と遺族目線に徹した。「勧善懲悪でもなく、感動的なストーリーも作らなかった。受賞は遺族の活動が評価されたのだと思う」
 遺族側の勝訴が確定しても「ここで終わりではない」と言う。「裁判に勝っても『大川小で何があったか』は解明されず、思い込みで批判する人もいる。経緯と事実を知ってほしい」。原告団への心ない中傷や脅迫にも憤る。「権利が守られなければ裁判で声を上げるしかないのに、それを許容できない社会へのむなしさやいらだちがある。少数の声がいかに大切か、歴史に埋もれている被害や実態を伝えていきたい」

 

 

映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』予告編
シネマトゥデイ