小田和正公式PRESS
FAR EAST CAFÉ PRESS
2024年1月25日発行 Vol.399から①

 

 

              被災地の皆さんへ

今年こそ平穏に過ごせますようにと願って迎えたその初めに大変なことが起きました。想像を遥かに越えた被害、いっこうに見えて来ない明日。何と言っても繰り返される揺れに、不安は募るばかりと察します。そんな中、支え合う人たちを見て胸がいっぱいになりました。どうか1日も早く地震が収まりますように。優しい日常が戻って来ることを心から祈っています。
                               小田和正

 

*個人的に関心のある3点について、小田和正のコメント(1/全3回)

※質問番号はPRESSのまま。改行は筆者

 

 

①毎年クリスマス夜に放映している『クリスマスの約束』今後の制作について

 

Q9 2年連続で「クリスマスの約束」※の放送が行われませんでした。もうやらないのでしょうか?一番のハードルはどこなんでしょうか? ※TBS系列で毎年12月25日、深夜放送/2022年、2023年と放送されていない。

小田:一番のハードルはやっぱり年齢からくるものでしょうね。それと…同じことを繰り返して演ってもなぁっていう。同じようなことでも曲を変え品を変えてやってくれればいいんだって言ってくれる気持ちもわかるんだけど、やっぱり普通の音楽番組をやろうっていう気がそもそもないわけだからね。ある程度自分の意思を盛り込んで表現できる曲と言うものを、もうずいぶん演ってきてしまったし、それを繰り返すのも後ろめたいし。

 

加えて、新しい曲を覚えたり、アレンジしてそれをみんなに繰り返し練習してやってもらうっていう、それを強いていくのも…。もちろんみんな嫌がらずに関わってくれるんだけど、年末だし彼らのスケジュールもそう簡単には確保できないからね。そうすると大丈夫かなぁ?間に合うのかなぁ?って…。もちろんみんなは覚えるの早いから、一番の問題は俺なんだけど(笑)、その不安が大きくなってくるからさ。それでも良いアイデアが生まれた時、それらを乗り越えて、ちゃんとできるだけの力らが自分に残っているかっていうのが勝負なんだけど、それがなかなか疑わしくなってきたんだよ(笑)。

Q:もうやらないでしょうか?っていうことの質問に対してはどう答えますか?
小田:やるためには相当しっかり準備しないといけないっていうのと、やるだけの理由、これをやるんだ、っていうはっきりした理由が見つからないとね。意地悪な人はマンネリみたいなこと書くし、そこを言い訳をする訳にもいかないし、有無をいわせたくないっていう力、気持ちを持っていないとなかなかスタートできないね。


Q:そうだね、今までそういうふうに作ってきちゃったからね。
小田:あれもやったな、これもよくやったな、という思いもあるからね。そしてみんなに紹介したいくらいのですごく良い曲っていうのは、そうそうあるもんじゃないからね。


Q:そりゃそうだよね。だけど最近よく昔の曲をテレビでもやってるよね。
小田:うん、なんか混在してるよね。新しい若者の音楽は圧倒的についていけないし。まして踊りも絡んでるし(笑)。