「世界を動かした名演説」
池上 彰 著 , パトリック・ハーラン 著

 

ちくま新書(1572)/2023年10月10日刊

 

この本の内容(筑摩書房サイトから)

名演説とは時代や歴史、社会問題や政治運動を色濃く記録したサムネール(縮図)だ!武器にもなり癒しにもなる言葉の力とは。チャーチルの第2次世界大戦の戦況を逆転させた演説から、ドイツ発史上最強の謝罪演説、ゼレンスキーの戦時下演説まで。冷戦、戦争責任、グローバルサウス、人種差別、宗教戦争、コロナ禍そしてウクライナ戦争。現代史と世界情勢の要点を、話術のコツと合わせて総覧し、歴史に残る名言を味わい尽くす。

目次
はじめに

第1部 抗戦と平和
1.ウィンストン・チャーチル
「我々は戦う。岸辺で、上陸地点で、野原で、街路で、丘で」 1940年6月4日
2.ウォロディミル・ゼレンスキー
「ウクライナに栄光あれ」 2022年3月8日/同12月21日
3.ジョン・F・ケネディ
「Ich bin ein Berliner(私はベルリン市民です)」 1963年6月26日
4.ロナルド・レーガン
「この壁を壊してください!」 1987年6月12日
5.リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー
「過去に目を閉ざす者は現在にも目をつぶることになる」 1985年5月8日
6.ジャワハルラール・ネルー
「世界で何が起ころうとも、どちらにも属さない」 1955年4月18日
7.鄧小平
「今、3 つの世界がある」 1974年4月10日
8.昭和天皇
「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」 1945年8月15日
9.安倍晋三
「希望の同盟へ」 2015年4月29日
第2部 迫害と希望
10.マーチン・ルーサー・キング
「I have a dream(私には夢がある)」 1963年8月28日
11.マルコムX
「The Ballot or the Bullet(投票か弾丸か)」 1964年4月12日
12.ネルソン・マンデラ
「死ぬ覚悟はできている」 1964年4月20日
第3部 課題に立ち向かう
13.マララ・ユスフザイ
「一人の子ども、一人の先生、一本のペン、そして一冊の本が世界を変える」 2013年7月12日
14.ジャシンダ・アーダーン
「私たちが信じている国になるために」 2019年3月29日
15.アンゲラ・メルケル
「親愛なる市民の皆様へ」 2020年3月18日
おわりに
原文出典
 

読後所感

 

 ウィンストン・チャーチル、ジョン・F・ケネディ、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー、ジャワハルラール・ネルー、マーチン・ルーサー・キング、ネルソン・マンデラ、マララ・ユスフザイ、アンゲラ・メルケル…名前を聞いただけでそのスピーチの内容を思い出せる、世界的に有名なスピーチを集め、池上 彰氏とパトリック・ハーラン氏、二人の知識人がそれぞれのスピーチの趣旨とテクニックを解析する。

 それだけでなく、それぞれのスピーチが生まれた状況や世界情勢、語り手の生い立ちや闘争などを縦横無尽に伝える。ここに二人の造詣の深さが集約されているように思う。この部分があればこそ、スピーチが目の前で行われいているような臨場感を与えている。読んで得したと思える一冊、一読の価値、大いにある一冊

 

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