ASKAがソロ35周年の集大成と言っていい約3年振りのオリジナルアルバム『Wonderful world』を2022年11月25日にリリースした。
サブスクサイドには配信されていないので、発売日にCDで購入以来1年ちょっと。何十回と聴いてきた。
ここに来て改めて「いいな!」と思った曲が2曲目の「自分じゃないか」。1曲目はRemakeされた「太陽と埃の中で」、何となくボーナストラック的な感じもするので、実質的にこのアルバムのオープニング、1曲目と言っていい。
「自分じゃないか」歌詞の下に、2020年10月12日発信のRowllingStoneの中からこの曲に関するASKAのコメント(インタビュー)を抜粋して掲載した。
チャゲアスファンの大御所的存在の方のnoteによれば、サビで歌われている「七つの星」とは地球を取り巻く太陽系の惑星を指すという。つまり水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星。
私が解釈するに、「七つの星たちの願いを受けながら」とは「太陽系に広がる星々たちと同じぐらい無数の人たちに見守られ、期待と願いを受けながら」とした。
未来の話しも過去の話しもいくらだってするさ。
でも自分のことを勝手にこうだと決めつけられ、見くびられて、黙っているほど自分は人間的にできちゃいない。未来と過去の話しをするのと同じぐらいいくらだって反論するさ。
テンプレート的な対応と生き方に満足はしない。結果、どこか決められたような手垢まみれの未来を生きるつもりはない。
前例にとらわれず、自分で考え、自分で行動し、自分で責任を取ってきた。そうした生き方が時に人から「考えもしない 思いもよらないって」言われたとしても構わない。新しい世界に踏み出して行けばいい。
太陽系に広がる星々たちと同じぐらい無数の人たちに見守られ、期待と願いを受けながら生きてきたけど、いつもいつもヘマをしてきた。それこそ失敗した数は星の数ほど。
でもその度に、決して環境や他人のせいにせず、全部自分のこととして自分を見つめてきた。その度に新しい自分を発見し、自分の内面を拡げてきた。
新しい自分を開き、自分自身を成長させるのは決して順境ではなく、逆境。逆境でしかない。
その結果分かったことがある。それは、結局、自分自身であるということ。全部「自分じゃないか」ってこと。
自分が変わるから周りの人の対応も変わる。自分が変わるから周囲の環境も変わる。全部「自分じゃないか」。変革はすべて自分が起点である。
作詞作曲:ASKA
詞:2020/7/13
曲:2020/7/4
明日の話はいくらでもする
昔の話もする
勝手にルールを押し付けられて
黙り込むほど できちゃいない
雨が降ったなら長靴と傘かい
手垢まみれの未来かい
七つの星たちの願いを受けながら
いつもいつも ヘマをしてきた
何かが変わるとき 誰かが変わるとき
いつもいつも気がついていた
失うべきものを失わない
それが絶望の時もある
だから見送って ぜんぶサラバって
新世界の地を 踏んで行け
考えもしない 思いもよらないって
人は言いつづけてきた
七つの星たちの願いを受けながら
いつもいつも ヘマをしてきた
ここを越えたって どこを越えたって
それがそれがオマエじゃないか
自分じゃないか
自分じゃないか 自分じゃないか
自分じゃないか
七つの星たちの願いを受けながら
いつもいつも ヘマをしてきた
何かが変わるとき 誰かが変わるとき
いつもいつも気がついていた
七つの星たちの願いを受けながら
いつもいつも ヘマをしてきた
ここを越えたって どこを越えたって
それがそれがオマエじゃないか
自分じゃないか
作詞作曲:ASKA
詞:2020/7/13
曲:2020/7/4
―なるほど。一方で“考えもしない 思いもよらないって人は言いつづけてきた”と歌う9月18日配信の「自分じゃないか」は曲調とは裏腹にかなりパンチのある歌詞が印象的です。
コロナにしても、みんな「突然」とか「思ってもみなかった」って言うけど、その予兆は誰もが毎回感じていたのではないか?ということです。物事が突然起こるなんてことはゼロではないけれど、大体のことは予想の範疇にあって、それが現れた時に「突然」って言っているだけの話ですよね。
―確かに。歌詞にある“いつも いつも 気づいていたはずなんだ”は、人類に対する問いかけなんですか?
そうですね。全て繰り返してきていますからね。台風にしたって、毎年毎年「観測史上初」とか言っていますけど、それって何年言い続けてるの?という話ですから。
―コロナ禍で“気づいてたはずなんだろ?”っていうのをあえて歌おうと思ったのは?
僕がこの歌で一番言いたかったのは、こういうことです。もし運命というものがあるとするならばそれに操られて生きているのかもしれないけど、それを回避するために例えば占いがあったりするわけです。その運命と、回避しようという行動のお互いが通じ合って、物事が進んでいくんだと思うんです。僕らがヘマをしてしまうというのは、自分の中にあった想像や、占いなどから啓示みたいなものをもらっていたのに、うまくいってなかったよなっていうことだと思うんです。それだけのことなんです。あとは、よく自分は失敗をしてしまったって思う人って、失敗した記憶の方が絶対多いはずだから。結局人間ってそうなんだよねと思いながら、それでもいいんじゃないか? それも自分じゃないかってことですよね。