(「ジョークにしないか」を歌う中島みゆき)

 

 

中島みゆき「ジョークにしないか」

アルバム『問題集』(2014.11.12Release)3曲目収録

 

 

ライブ映像作品『中島みゆき Concert「一会」(いちえ)2015〜2016』(2016.11.16Release) ラスト20曲目収録
 

 

まさに『一会』と言える強烈なインパクトと感動を与えた歌たちの後、ワンステージの最後に歌われた「ジョークにしないか」がまたいい。

高ぶる気持ちを冷ましつつ、そこまで歌われた歌とシーンを振り返るにはぴったり。かと言ってそれまでの歌をジョークにするつもりはない。

歌詞の意味が「分かる」とは言い難い。では「分からない」と言うとそんなことは決してない。おぼろげに伝わる雰囲気から、何を言わんとしているか何となく分かる。むしろ気持ちで分かる。
 
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( 同上 )

誰かの言動でびっくりさせられた時、笑うしかない時って確かにありますよね。とは言え、言動を発した本人はそれによって相手が黙ったり、構えたりすることをまったく望んでいないんです。

愛について、人生の硬いテーマについて語ることは苦手だし、意見のぶつかり合いになって気まずくなるのは嫌です。明日また普通に会えるように、先の見えない話しはジョークにしてしまおう。
 
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「桜が咲きましたね。もうすぐ冬が来ますね」…そんな他愛もない会話で一年があっという間に過ぎていきます。ふざけてばかりな私だけど、自分のことを好きでもなければ嫌いでもないと思われる、そんなやつでいいんです。でも会いたいんです。

実際に人と会うことに比べたら、愛がどうしたこうしたと語ることなんて軽いもの。だから会えることが一番大事なんです。

たまには海を眺めにゆこう。その時も無理に語らなくていいし、相手に合わせて無理に笑わなくていいんです。無理に言葉にするよりも、何も言わない方が気持ちが伝わることもあるんです。気持ちが伝わればいいんです。

とにかくまた明日会いたいんです。だから、時に相手に求めるばかりのキリのない願いや、時に結論の出ない話しはジョークに替えて、明日また普通に会いましょう。
 
まさに「一会」、人との出逢いと繋がりを願った歌なのかも知れない。
 

 

中島みゆき Concert「一会」(いちえ)2015~2016
ダイジェスト・トレーラー(公式)
(※15分33秒~16分38秒「ジョークにしないか」)

 


笑ってくれましたか それならいいんです
驚き過ぎると笑うしかないですよね
笑ってくれましたか 黙らないでください
構えさせてしまった 深い意味はないんです

愛について語ることは 私たちは苦手だから
明日また会えるように ジョークにしないか
きりのない願いは ジョークにしてしまおう

桜が咲きましたね 雪が来ますね
そんな話だけで1年が過ぎてもいい
ふざけてばかりな奴 好きも嫌いもない
うとましがられるより そんな奴でいいんです

愛なんて軽いものだ 会えることに比べたなら
明日また会えるように ジョークにしないか
きりのない願いは ジョークにしてしまおう

海へゆこう 眺めにゆこう
無理に語らず 無理に笑わず
伝える言葉から伝えない言葉へ
きりのない願いは ジョークにしてしまおう

伝える言葉から伝えない言葉へ
きりのない願いは ジョークにしてしまおう
きりのない願いは ジョークにしてしまおう