「君に出逢えたことで 僕の明日が見えた」
松山千春の歌詞の一節(「碧い海」1986年)
歌詞内容は、碧い海を見つめる男女を歌ったもので、男性が隣の女性を見ながらの気持ちを表現したのが冒頭の歌詞。
恋愛の世界を出ることはない歌詞だが、私自身はこの言葉から、人との出逢いの妙、縁の本質を感じる。
偶然に見えても必然の出逢い。あなたに出逢えたことで私の人生が変わった。大きく開(ひら)けた。明日が見えた―そういう出逢いや縁にこそ、この世に生まれて生きることの本質のぜんぶがあるように思っている。
逢い難きは人、有り難きは出逢い。
これまで出逢った方々に、心から、この上ない感謝を捧げるものである。
中島みゆき「身体の中を流れる涙」(2014年)
きっと逢い難き人との縁を「誓い」に言い換え、それは永遠に続くと歌っているのだろう。
「私の聞きたいひとことは
あの人だけしか使えない
命よりなお長く 誓いは生きる
涙よりなお長く 誓いは生きる」
身体の中を流れる涙 どこを切っても涙が落ちる
涙が私を動かしている 私は涙でできている
身体の中を流れる涙
熱い血なんかはひと粒もない
温もり目当てに抱きしめたなら
なおさら寒さを知るばかり
縁起かつぎや験(げん)かつぎ
悲しみ除(よ)けなど要りません
今より悲しいことはない
この先怯えることもない
心よりなお早く 身体は凍る
氷よりなお深く 涙は凍る
どこかに理由があるならば
どこかで止まりもするけれど
何から何まで理由なら 涙はつづいてゆくばかり
なぐさめ言葉 知恵言葉 私のためなら要りません
私の聞きたいひとことは
あの人だけしか使えない
命よりなお長く 誓いは生きる
(身体の中を流れる涙 誰にもわからない)
涙よりなお長く 誓いは生きる
(身体の中を流れる涙)
(何を泣いていたか忘れても 自分でも見えない悲しみが流れ続け 引き継がれてゆく 誓いは生きる)
(何を泣いていたか忘れても 自分でも見えない悲しみが流れ続け 引き継がれてゆく)
松山千春「勇気ありがとう」(1995年)
お父様を歌った歌。不思議な肉親との縁を今も繋ぐのは「勇気」として、それを教えてくれた父に感謝を捧げる。
「勇気 大きな どんなものにも
負けない 勇気 ありがとう」
貴方を強く 感じていたい
いつの時も ただ ひたむきに生きる姿を
貴方を強く 感じていたい
いつの日にか たどりつける 夢と信じて
勇気 大きな どんなものにも
負けない 勇気 ありがとう
貴方を もっと 感じていたい
幸せとか 不幸せとか 見向きもせずに
貴方を もっと 感じていたい
辛いことも 苦しいことも 全て受けとめ
勇気 大きな どんなものにも
負けない 勇気 ありがとう
勇気 大きな どんなものにも
負けない 勇気 ありがとう
浜田省吾「日はまた昇る」(1998年)
長い人生の旅路の途上で数えきれない人たちと出逢う。その有り難き縁を大切に生きる。その人たちはみんな自分の人生に起きることと闘い、自分の人生を生きている。
自分の身に何が起ころうとすべて懐深く受け入れて、楽しみながら自分の人生を生きていく。
「長い旅路の色んな場所で
数えきれぬ人に出会う
誰もが 皆 自分の人生と闘っている」
海鳴りの聞こえる丘で 青空を見上げて想う
この旅の途上で 愛した人の懐かしい面影を
今日まで何度も厄介な事に
見舞われて来たけれど
今も こうして暮らしてる
これからも 生きてゆけるさ
夕日が空を 染めてゆく
明日の 朝も 日はまた昇る
おれが ここにいるかぎり
おれが そこにいようといまいと
激しい河の流れを 静かに見つめて
闇の向こうに何があるのか
誰ひとりわからない
わからぬことを わずらうよりも
今日 この時を 生きていたい
河を渡り 谷間をぬって 頂きを越えて
長い旅路の色んな場所で
数えきれぬ人に出会う
誰もが 皆 自分の人生と闘っている
荒野にひとり君は立ってる
行く道は幾つもある
だけど たどりつくべき場所は
きっとただ ひとつだけ
どの道を歩いて行こうと
君は君の その人生を 受け入れて楽しむ他ない
最後には 笑えるように
(トップ/カバー写真)
【撮影者】@nara_pochiさん
【タイトル】朝日とコスモス
(Morning Sun and Cosmos)
【撮影日時】2023-10
【撮影場所】奈良県(Nara, Japan)
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