注意展開中のツアー内容記載あり注意

 

 

 

松山千春コンサート・ツアー2023秋

 

2023年11月15日には神奈川県相模原市の相模女子大学グリーンホールで開催された(公演12/全23公演)。

 

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(相模女子大学グリーンホール/同日筆者撮影)

 

当初は仕事の都合で参加を諦めていたが、仕事の予定変更、行けそうになったので一般発売でのチケットゲットにかけたが、1分足らずで完売、砕け散った。

 

まだ首都圏ではチケットはよく売れると思うと嬉しかった半面、取れなかったことに対して残念な気持ちもあり、それをブログに書いていた。

 

記事を公開した直後、千春ファンの方からメッセージが届き、「一緒に行くはずの方が行けなくなったので、いかがですか?」と温かいお言葉をいただき、二つ返事で譲り受けた。座席も結構前方でしかもセンター。松山千春が近く幸せな席だった。

 

当日会場でその方にお礼を伝え、開演前しばし千春談義。その方も40年を超える千春ファンキャリア、いろいろ共感できた。

 



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(ツアーポスター/11月15日東京国際フォーラムで撮影)

 


18:30 オンタイム開演

 

1曲目の歌い出しから声に力が伴っていて、今日は体調がいいな…まずはひと安心。

 

2曲目「君が好きさ」、前奏が始まり、一人拍手した。

 

 

 

「今回のツアーでは2曲目にだいたい『ピエロ』を歌っているけど、18年前ここでやった時に2曲目が『ピエロ』だったんだよ。だから換えて『君が好きさ』」(趣意)

 

フルバンドで聴くのはいつぶりだったかな?嬉しかった。

 

3曲目「時のいたずら」、4曲目「銀の雨」はいずれもアコースティックギターEmから始まるスリーフィンガー。古川昌義氏のギターが見事で、会場によく響いていた。席で一緒に右手でスリーフィンガーを合わせてみた。

 

あえて言えば、音の作り方として、ちょっと電気系の感じが強く出ていたかな?


5曲目に「恋」。「時のいたずら」「銀の雨」、この3曲はこれまで何十回も聴いてきたのでもうじゅうぶん。この後「電話」が来たら、もういつものパターン完結。

 

別の、普段歌わない曲、これまでライブで歌ったことのない曲…歌えるうちにそういう曲を一曲でも多く歌って欲しいというのが正直な願い。

 

一部終わりに10分間の休憩を入れたが、今後はせめて15分は取る必要があるでしょう。トイレにこれまでにないような行列が長時間続いていた。とくに女性のみなさんはかわいそう。

 

結局、二部の1曲目「君を忘れない」終わりに多くの方がトイレから戻って来られていた。ちなみに15日の東京国際フォーラムではもっと多くの方が二部に入って戻って来られた。

 

 

この日、松山千春がギターを弾いていたのは「北風」のみ。立ってギターを弾いていた。

 

 

「テリーズ・テリー  TCJ‐100  №118」ギターで、オリジナルのままアコギのストロークから入るアレンジで、その部分から松山千春が弾き、バックバンドが乗ってきた。

 

エレキギターの山崎淳氏もアコギに持ち替え、古川昌義氏も一緒に弾いていた。松山千春のギターの音を追いかけていたが、最後まで間違えることなくしっかり弾いていたので、安心した。

弾いている松山千春を見て少々驚いた。ストロークをする場所が、サウンドホール付近ではなく、ネックの根本に埋め込まれた松山千春のネームプレートの上辺りで弾いていた。つまり、ネックの上の方で弾いていた。

もちろん、ここで弾かなければいけないという場所はないけど、これまで弾き語りで見てきたのとはかなり違っていた。だからどうした?ということはなく、なんか新たな発見をしたような気持ちだった。

 

「北風」が終わりMCに入った。その前からマイクの音が小さいのが気になっていて、MCに入ったら、ステージ上からマイクを通して「もっと大きくして欲しい。演説をする時ぐらいに大きく」(趣意)と音響スタッフにオーダーしていた。

 

その影響かどうかは分からないが、アンコールに入ってから急にマイクの音がこもり気味になったのが気になった。

 

ここのMCは20時05分から20時28分まで23分間続いた。本人が意識していたかどうかは分からないが、伝えたいポイントは3点あったように思う。ただ、それぞれの話しの途中で話題を変えてしまったので、MC全体としては散漫感が否めなかった。

 

松山千春、今年12月で68歳。個人的な願いとして、ここまで来たからこそ、こうしたMCで伝えたいメッセージを歌にして欲しい。

 

長く生き、歌ってきた一人のフォークシンガーとして、人生の円熟味にあふれた、聴き手にしっかりと伝わる言葉を尽くした歌詞で表現して欲しいと思っている。

 

 

11曲目で「虹のかなた」を歌った。

 

 

私の中で大切にしている曲。去年春のツアーでも歌ったが、その直前、会場がざわつき、それに伴い私の気持ちもざわついていたので、歌の世界に入れなかった。

 

今回は安らかな気持ちで聴き、歌の世界に入れた。

 

1985年6月28日、山梨県民文化ホールで聴いた「虹のかなた」がまた蘇った。NEWSレコード倒産直後のツアー。傷心の中で一生懸命、必死に歌っていた松山千春の姿は私の中で消えることはない。

 

そして歌詞の世界そのままに、高校卒業までに出会った多くの友だちの顔が浮かんだ。

 

感動を通り越し、満たされた気持ちだった。

 

アンコール、15曲目の「青春Ⅱ」を歌い終えた後、松山千春が「古川!(アコギ)適当にEm、弾いてくれ。なんでもいいから」と声をかけ、古川氏がEmでダウンストローク…松山千春が「うつむきかけた 貴方の前を~」♪…「季節の中で」に入った。

 

すぐに他のバックメンバーも加わり、フルコーラス、フルバンドで歌い切った。歌い終えた松山千春がバックメンバーに「みんな、よく演奏できたな。すごいな」と褒めていた。

 

最後の曲「あなたが僕を捜す時」

 

 

私の中で最も大切にしている曲。

 

オリジナルでもワンコーラス目はアコースティックギターが響くが、今回はワンコーラス目はアコースティックギターのみ。これはとくによかった。

 

45歳で逝った母の病室が蘇った。逝去の1か月前、小春日和の日差しが注ぐ病室で、窓の外を見つめる母。私が病室に入ったら嬉しそうに「今日はお前が来ると思っていたよ」と言った。3月末の深夜1時11分、父と妹と三人で旅立つ母を見送った。

 

「生きている それだけで 人は皆幸せさ」

 

当然、ヴォーカルにおけるリリース当時の広がりや質感はもう消え去っているが、それは気にならず、松山千春の歌の世界に入り込んだ。

 

ひとつ贅沢を言えば、オリジナルにはあるサビのリフレインをひとつカットしていたのが残念だった。サビを2回繰り返してから「ラ~ラ~」♪に入れば完璧だった。

 

この曲もまた安らかな気持ちで聴けて本当によかった。

 

21:25 終演

 

相模女子大学グリーンホールのキャパは1,790人。松山千春のライブの良さが出るのにちょうどいい。

 

とくに「虹のかなた」「あなたが僕を捜す時」…聴いているそれだけで私はただ幸せさ…そんな時間だった。

 

今回参加できて本当によかった。帰りがけ、相模大野駅で、お声をかけてくださった千春ファンの方に御礼のメールを打った。