(「あなたでなければ」を歌う中島みゆき/「歌旅」より)

 

 

中島みゆき「あなたでなければ」

オリジナルアルバム『ララバイSINGER』(2006年11月22日)収録

 

 

ライブ映像作品/ライブCD『歌旅─中島みゆきコンサートツアー2007─』(2008年6月11日)収録

 

 


オリジナルの編曲は瀬尾一三・中村哲の両氏。

この曲に対するCDジャーナルのレビュー

まさにフォークの王道なAメロとバンド・サウンドにのせた力強いサビとのギャップにより、1粒で2度おいしいラブ・ソング。「あなたでなければイヤなんです」と、ストレートな歌詞を開き直ったようにルーズに歌うサビは、理屈抜きで気持ち良い。(CDジャーナル)

CDジャーナルの「1粒で2度おいしい」とは曲の構成、メロディとアレンジについて言っているのだと思う。

これ以外で「1粒で2度おいしい」のは、歌詞だけを読んだ世界と、メロディ・アレンジ・中島みゆきの歌唱が乗った時の歌の世界とのギャップ。二つの世界を受け止めることができる。

この歌詞内容でマイナーなメロディとそれ相応のアレンジ、トーンを抑えた歌い方だったら、少なくとも私には引っかからなかったと思う。明るく仕上げたからこそ、歌詞内容が引き立ち、曲全体の良さが出るのだと思う。

 

(同上)

あなたでなければイヤなんです
あなたでなければ駄目なんです
似たような人じゃなくて

代わりの人じゃなくて
どうしてもあなたにいてほしいんです


「あなたを心から愛している」「あなたが好きです」「あなたが欲しい」「あなたにいてほしい」などの表現とはまた違った世界で、“そうそう、要するにそういう気持ちってあるよな”と誰もが抱くものでありながら、案外言葉にしない思いをストレートに伝える。

そうです出会った日のあなたとも

ほんの昨日のあなたとも
違うあなたになれるんですね

人は変わってゆくんですね


そうよね変わらないつもりでいた私だって

変わるんですよね
どうせ変わってゆくものなら

あなたと一緒に変わりたい

あなたのことはじゅうぶん、いえ完璧に分かっているつもりだった。あなたのことについては誰にも負けないつもりだった。

でも、あなたは変わってしまった。変わらないつもりでいた私もまた変わってしまった。二人とも変わってしまったんだから、結局あなたへの認識は何倍も変わり、距離は何倍も広がってしまっていたんだ。

あなたを1から覚えなきゃ

私を1から言わなきゃね

だったら、あなたのことをもう一回、一から覚えなきゃ。私のことをもう一回、一から言わなきゃ。

 

(同上)


あなたの目にどんなものが映っていようが、そこに私はいない。だからあなたの目に映るものすべてが憎らしくなる。あなたを思い過ぎて、私の気持ちが変に曲がっていってしまう。

いろんな思いがグルグル回る。でも、結局、要するに、何が言いたいかっていうと、

あなたでなければイヤなんです
あなたでなければ駄目なんです
似たような人じゃなくて

代わりの人じゃなくて
どうしてもあなたにいてほしいんです

 

 

歌旅-中島みゆきコンサートツアー2007

ダイジェスト・トレーラー(公式)

※「あなたでなければ」1分45秒~2分22秒

 

見間違えるなんてはずは ありえないと思うんです
聞きそびれるなんてはずは ありえないと思うんです
馴染んだあなたのことぐらい わかりきったつもりでした
見慣れたあなたの肌ぐらい 思い出せるつもりでした
その肌は誰のもの
その声は誰のもの
知らない人を見るようで心もとなくなるけれど
あなたでなければイヤなんです
あなたでなければ駄目なんです
似たような人じゃなくて 代わりの人じゃなくて
どうしてもあなたにいてほしいんです

そうです出会った日のあなたとも

ほんの昨日のあなたとも
違うあなたになれるんですね

人は変わってゆくんですね
そうよね変わらないつもりでいた私だって

変わるんですよね
どうせ変わってゆくものなら

あなたと一緒に変わりたい
その爪は誰のもの
その文字は誰のもの
あなたを1から覚えなきゃ 私を1から言わなきゃね
あなたでなければイヤなんです
あなたでなければ駄目なんです
似たような人じゃなくて 代わりの人じゃなくて
どうしてもあなたにいてほしいんです

海を見ていたせいかしら
はるか見ていたせいかしら
あなたの目に映る世界に私がいないようで 海を憎んだ
あなたでなければイヤなんです
あなたでなければ駄目なんです
似たような人じゃなくて 代わりの人じゃなくて
どうしてもあなたにいてほしいんです
あなたでなければイヤなんです
あなたでなければ駄目なんです