10月13日(金)、昼休み、高校時代の友だちの名前を表示しながらスマホが揺れた。
「あら、あら、どうした?」
「おぅ、かなた、飲もうぜ」
「いつだ?」
「今夜」
「今夜?俺が暇だと思ってるだろ」
「そんなこと思ってないけどさ、どう?」
「空いてる」
彼は霞ヶ関に勤めていて、山梨から通っている。53歳の時、意を決して前職を辞め、試験を受けて見事合格、去年の4月からそこに勤めている。
山梨から特急を使って片道2時間。苦ではないらしい。都内でラッシュに揺られて通勤するより、はるかにストレスや疲労は少ないかもしれない。
去年12月にその報告を兼ねて数年ぶりに飲んだが、昨日もまた仕事帰り、彼が途中下車して二人で飲んだ。サイゼリヤ飲み。
去年の12月以降変化があった山梨にいる高校時代の友だちの近況を教えてくれた。山梨にいるっていうこともあるけど、彼は偉くて、いつも高校時代のいろんな友だちに自分から声をかけている。
ここまで来ると繋がっていることが大切。
それはそうと、サイゼリヤ、金曜日の夜ということもあったと思うけど、行列が出来ていて二人で待った。同じことを考える人は多いもので、サラリーマンらしき人がたくさんいた。
分かっちゃいるけど、なかなか美味いし安い。1時間半、結構食べて飲んでしゃべって一人1,500円。ただ、サラダは必ず注文しないといけない。でないと、アブラを食べているような感覚あり。
彼が最後に「おい、かなた、ラーメン行こうぜ」とか言い出して、ついつい行ってしまった。
〆のラーメンっていつぶりだ?バカなことをした。食べながら二人で深く後悔した。今朝も腹が空かない。分かっちゃいるけど、俺たち、もう若くないぞ。
(高校卒業まで過ごした山梨/筆者撮影)
来年春、私が山梨に帰り、彼が高校時代、とくに3年の時のクラスの友だちを集めてくれて飲むことにした。
当時日本の大学進学率は24%程度、高校は大学に行かない人がいない進学校。大学受験を目指して声を掛け合いながら勉強した仲間たち。
みんな合格して、それぞれの望みもち、それぞれの道へと進んだ。肩をたたき合い、ちぎれるほど手を振って別れた友だち。楽しみにしている。
それぞれの望みもち
それぞれの道へと
肩たたき別れた
ちぎれるほど手を振った
(松山千春「虹のかなた」)