<2023.11.13>再掲

<2023.8.31>冒頭記事挿入、映像挿入
<2019.10.8記事>

 

先日、知人から頼まれて、知人の高校3年生の息子さんと話しをした。来春、国内超難関大学合格を目指して受験勉強に挑戦中。

 

「私は大学を出ていない。息子は高校の先生からもアドバイスをもらっているけど、ぜひ違う人からもアドバイスして欲しい」

 

将来の目標と高い目的意識を持ち、一日の全ての時間を受験勉強に費やしていると言っていいほど頑張っている。話しを聞いていて「このまま頑張っていけば、おそらく合格できるだろう」と感じた。高校生と話しをするとこちらの心が洗われるような気持ちになる。

 

そして、私が大学入試に向けて必死に勉強していた、とくに高校3年の今頃を思い出す。

 

進学校、受験勉強に挑戦しながらも、様々なことに取り組む高校生活を、との高校の方針で、2学期開始早々、10月に生徒が運営主体となって開催される「学園祭」の準備も始まった。

 

この時期になると聴こえてくる浜田省吾「19のままさ」  

 

 

大学入試に合格し、1986年4月、東京にある大学に入学しキャンパスの春を迎えた。その5か月後に発表された浜田省吾の記念碑的アルバム『J.BOY』に「19のままさ」が収録されていた。

 

このアルバム、当時数えきれないほど繰り返し聴いたし、周囲の多くの友だちも持っていて、収録曲などについてよく話しをした大学1年。

 

「19のままさ」は、私の大学入試受験勉強からキャンパスの春までの約1年間の情景をまるごとワンセットで呼び起こす。

 

2019年2月に書いていたこの曲に関する記事を思い出したので、映像を挿入し下に再掲した。

 

 

 

浜田省吾アルバム『J.BOY』

 

私が大学に合格して、山梨から東京に出てきた1986年の9月にリリースされた。ほんとうによく聴いた。


「想い出のファイヤー・ストーム」

「19のままさ」

「遠くへー1973年・春・20才」
 

1970年前後?の大学キャンパスや学生の様子を歌ったような曲たち。

主に1960年代から1970年初頭にかけて各地の大学で巻き起こった学生運動(大学紛争)は、レベルの差こそあれ、学生たちが自分たちの行動で社会を変えることができると信じて起こした、一大ムーブメントだった。

私の学生時代はそんなムードは影も形もなかった。むしろ社会に出るまでのモラトリアムとして、大学はレジャーランドとまで言われ始めていた。

現在の大学にも既にグローバル化の波が大きく押し寄せ、同時に、個人的には100%よしとは思わないし、それがどこまで可能かは未知数だが、学問探究の場というよりもより即効性のある実践的な力が求められている。

大学2年になる頃には就職対策が始まる。大学4年間がどこか窮屈で、スケールが小さく感じる。人間的に骨太でたくましい大人(たいじん)を輩出する揺籃にはなりえない気さえしている。

 


浜田省吾が歌う青春には~とくに大学受験時代、浪人時代、大学時代と思われるようなこれらの歌は~浜田省吾にしかない風が吹いている。

 

聴くたびに、自分のそうした時代を思い出し、どこか切ない風、どこか胸苦しい風、どこか懐かしい風を受け止める。

 

松山千春も長渕剛も青春を歌っているし、何よりデビュー初期の頃は本人たちが青春と呼ばれる時代のステージの上にいたわけだけど、二人が歌う青春と、浜田省吾が歌う青春とは明らかに違う風で、違う薫りを運んでくる。

 

高校3年のクラスの友だちと声を掛け合い、必死に勉強した。これまでの人生で、あの時ほど勉強したことはない。あの時の彼ら、彼女らは元気だろうか。
 
33年前(1986年)の春、大学入学のため父が運転する軽トラックに荷物を載せて山梨から東京のアパートに引っ越した。運転しながら話す父の横顔と言葉を覚えている。

 

「子どもが東京のアパートで独り暮らしをする。親としては複雑な気持ちだし心配だけど、体に気を付けて頑張れよ」

いつまでも忘れない、今でも目をこうして閉じれば、あの日のままさ。 

 

 

予備校の湿っぽい廊下で
あの娘を見つけた
放課後の図書館のロビーで
思い切って声をかけた

夏が終る頃には
もう二人 すり切れたスニーカーはいて
恋を追いかけてた

いつまでも忘れない
今でも目をこうして閉じれば19のままさ
でも僕等 もう二度と
あの日のきらめき この腕に取り戻せない


受験日は そこまで来ているのに
何も手につかず
二人でいると せつなくて
理由もなく喧嘩ばかり

春になれば すべてうまくゆくさと
別れたよ 映画の後 クリスマスの夜

いつまでも忘れない
今でも目をこうして閉じれば19のままさ
でも僕等 もう二度と
あの日のきらめき この腕に取り戻せない

今もあの娘 長い髪のままかな
僕はほら ネクタイしめて
僕が僕じゃないみたい

いつまでも忘れない
今でも目をこうして閉じれば19のままさ
でも僕等 もう二度と
あの日のきらめき この腕に取り戻せない