2023年8月1日(火) 横浜アリーナ

小田和正Tour2023「こんどこそ、君と‼」、ツアーファイナルのひとつ前公演

 

 

”今回が最後か…”おそらくそんな気持ちが人々の中で生まれているのかもしれない。これまでずっと関係者がチケットを取ってくれていたが、昨年からそれが出来なくなった。チケット争奪戦は激化の一途、昨年は申し込んだチケットがすべて落選。

 

有り難いことに、ブログでお付き合いいただいてる方が「FAR EAST CAFE PRESS」を定期購読すれば、ツアー前には購読会員チケット先行抽選の案内が掲載されることを教えてくださった。

 

 

すぐに購読を始め、今年1月27日に到着したVol.387にそれが掲載されていた。この方法で申し込んでも当たる確率は高くない、とも言われていたが、ともあれチケットゲットに一番近い方法、すぐに申し込み、今回の横浜アリーナ公演が当選した。

 

 

8月1日、横浜アリーナに駆けつけた方々、おそらくその圧倒的多数は50代以上、加えて女性の割合が極めて高い。中高生頃から聴き続けて来たオフコース、小田和正を今も変わらず応援し続けられている人が多いのだと思う。

そうした方々が―そうした方々だけではないが―大規模アリーナツアーの全会場を満員にするほど、今も多くいらっしゃるということだろう。

 

その会場にいるオーディエンスがどのくらいの割合で本人の歌唱に合わせて一緒に歌っているか…”合唱率”という言葉があるとすれば、小田和正ライブ合唱率はほぼ100%だろうと、会場にいて分かる。

 

長渕剛ライブも合唱率は高いが、「歌え~~‼チクショー、蝉も泣くぞ~~‼」的な若い男性中心のシャウト系合唱。小田和正の場合、女性のみなさんの声がメインで、大人の上品な合唱が会場全体に響く。

 

 

分かりやすい言葉でありながら、ありきたりではない深みのある言葉の数々。中島みゆき同様、軽く聞き流せない、しっかり受け止めて思索しないと勿体ない言葉たち。

 

決して言葉少なではなく、選りすぐられた的確な言葉を尽くす。優しく伝わる歌の中に、揺らぐことのない強さがいつもある。強さの中に優しさがある。聴く人を元気にしたいという小田和正の歌に賭ける思いがひしひしと伝わる。

 

その意味で、小田和正の姿勢、生き方に惹かれ、そこから生み出される歌に惹かれる。

 

1曲目の「風を待って」から実質最後の「ダイジョウブ」まで、染み入る歌詞に終始涙がこぼれそうだった。「the flag」「風と君を待つだけ」「ナカマ」「生まれ来る子供たちのために」「今日もどこかで」「君住む街へ」…二部で歌われた曲たちは私がずっと大切にしてきたものばかり。

 

 

MCは全体で3回。どれもとても短い(以下要旨)。

 

(MC1)小学校1年の時にビートルズがやってきた。学校の帰りに友達とハモりながら歌って帰った。ハモることのよさを知った。もしかすると歌い始めたきかっけは、ハモるってこんなに気持ちいいんだ、と思ったことだったかもしれない。

 

(MC2)会場のみなさんの歌声がよく聞こえてきた。今日はやってよかったと思った。

 

(MC3)自分もこんな歳(9月で76歳)になった。(自分に比べると)こんなに若い人たちに支えていただいた。今日は楽しくやらせていただきました。ドラマ(「この素晴らしき世界」)は観ていただけたでしょうか。その主題歌を歌ってます。

 

「17.こんど、君と」、小田和正が自身が弾くアコースティックギターの入りを間違えて、一度止めた。会場は温かな笑いに包まれ、すぐにやり直した。途中、天井から発泡スチロールで作られたハート型、人形型、星型などの破片が多数ひらひら舞い落ちてきた。

 

会場のみなさんはそれが欲しくて、手を伸ばしたり、ジャンプしたりと、この時ばかりは小田和正の歌を聴いていなかった(笑)。

 

私も欲しくて、狙いをつけていた一枚が近くまで来て手を伸ばしていた時、天井からの照明のラインに入ってまったく見えなかった一枚が突然私の顔にへばりついてきた。で、結果的にその一枚をゲットした(☟写真)。

 

 

どんなものが落ちて来たの?周囲のみなさんが私のこれをのぞき込んで来たのでちょっと恥ずかしかったが、隣の妻が大騒ぎで大喜びだった。

 

「20.またたく星に願いを」が始まった直後、会場にたくさんの巨大バルーンが投げ込まれ、それをみなでトスした。私と妻の所に来て欲しいと思いながらも、結局来なかった。

 

「あの巨大バルーンをキャッチしても、帰りの電車には入らないので持って帰れないなぁ」と意味不明なことを考えた自分に苦笑いした。

 

「21.YES-YES-YES」でこの日初めて花道を走って歌った。

 

 

実質最後の曲「22.ダイジョウブ」を歌っている時に、小田和正とバックメンバー全員が花道の最前まで出て横並びで立ち、全員で会場の四方に深々と頭を下げた。それに応えて会場から大きな拍手が送られた。

 

小田和正のライブではいつもそうだが、スクリーンにバックメンバーの演奏の様子が結構な頻度で映し出される。メンバーそれぞれが本当に楽しそうに活き活きと演奏している姿は、参加したみなさんを歓迎し、小田和正を盛り立て、みなさんの気持ちをよりひとつにしている。

 

年齢的に体力的に、これが最後のツアーかな?正直そんな気持ちも起こってきたが、素晴らしい感動的なライブは言葉にできないほど。

 

いつものように、終演直後、アリーナの扉から出た瞬間、「次もまた来たいな」と強く思った。

 

 

<8月1日 セットリスト>
 

01.風を待って
02.会いに行く
03.愛を止めないで
04.夏の日
05.愛の唄
(MC1)

06.my home town
07.言葉にできない
08.たしかなこと
09.キラキラ
~ご当地紀行(映像)~
10.the flag
11.Yes-No
12.ラブ・ストーリーは突然に
13.風と君を待つだけ
14.ナカマ
15.生まれ来る子供たちのために
16.今日もどこかで
(MC2)
17.こんど、君と
18.君住む街へ
―アンコール1―
(MC3)
19.what’s your message? 
20.またたく星に願いを
21.YES-YES-YES
―アンコール2―
22.ダイジョウブ
23.また会える日まで