おかげさまでデビュー45周年!
サザンオールスターズ 2023開幕!!
[Teaser]

 

 

(わたしとサザン)また茅ケ崎で、会える聴ける
デビュー45周年、9・10月に野外ライブ

2023年6月26日 朝日新聞(横浜・地方)

 

 

※記事中の公式映像は筆者挿入


 サザンオールスターズが25日にデビュー45周年を迎えた。9、10月には桑田佳祐さんの故郷・茅ケ崎市で10年ぶりに野外ライブ「茅ケ崎ライブ2023」を開催することも発表になり、地元では歓喜の声が上がった。朝日新聞神奈川版の連載「わたしとサザン」に登場したファンたちも、この45年に思いをはせた。

■本紙連載に登場したファンから喜びの声
 

◆みんなと盛り上がりたい
 「どの日に申し込む?」「誰と行こうか」……。1月5日付の紙面に登場した札幌市の女性(56)は24日深夜に茅ケ崎ライブが発表された直後から、ファン仲間とLINEやメールで盛んにやり取りを始めた。
 高校生だった長男は部活顧問から厳しい叱責(しっせき)を受けた翌日に自ら命を絶った。あれから10年。女性はいま、教員の指導に絡んで自殺した子どもの遺族らと会を立ち上げ、再発防止に向けて活動する日々だ。
 あの年にリリースされた「蛍」に涙を流した。つらかった日々を支えてくれたのはサザンを通して知り合った仲間たちだった。「札幌のライブのときなどに仲間と集まる企画を考えて、みんなと盛り上がりたい」(芳垣文子)

 


◆生き続ける歌唱力に驚き
 大学院生時代、修士論文でサザンの歌詞を分析した鈴木敦真さん(33)。1月7日付紙面では桑田さんのシングル「東京」を例に、サザンの歌詞に頻繁に出てくる「雨」という言葉に隠された意味を語った。
 合唱が好きで、大学では合唱団を結成した。歌うことの奥深さを感じ、桑田さんの歌に隠された技術やセンスがあると感じてきた。デビュー曲「勝手にシンドバッド」とカップリング曲「当って砕けろ」を聴き、「45年間も生き続ける歌唱力に改めて驚いた」。
 サザンと出会ったきっかけはテレビ番組「桑田佳祐の音楽寅さん」。「ゲリラライブをやったり1人でバンドの楽器を演奏したり。あのわくわくする姿をもう一度、テレビで見たい」(伊藤良渓)

 


◆「ずっと続けて」サザン神社に願う
 茅ケ崎市のサザン通り商店街にある「サザン神社」には25日、ひっきりなしにファンが訪れていた。
 名古屋市の小泉和也さん(50)と牧一菜さん(53)は昨晩、ライブ開催を知ってすぐにホテルを予約したという。小泉さんは「普段からサザンとともに生きているので」と笑う。
 2人の出会いはファン同士が交流するSNSがきっかけで、約10年前の名古屋のライブで初めて会った。牧さんは「45年と言わず、まだまだ活動を続けてほしい。将来は茅ケ崎に移住するのが夢」と笑った。(伊藤良渓)

◆歌ってほしい歌がある
 1月6日付紙面で紹介した福島県新地町の寺島浩文さん(60)は、デビュー以来のサザンファンだ。2011年の東日本大震災の津波で亡くした長男佳祐さん(当時19)の名前は桑田佳祐さんが由来だった。
 デビュー45周年を迎え、4年ぶりの新曲のリリースも発表された。「45年も元気に続けるなんてすごい」と話した。「名づけたのは30年ぐらい前だけど、あのときの自分は間違っていなかったなあ」
 サザンの代表曲のひとつ「TSUNAMI」はその曲名のためか、東日本震災以降、ライブで歌われていない。寺島さんは「歌うかどうかは桑田さんが決めることですが、私は好きな歌です。気にしないで歌って欲しい」と話した。(大宮慎次朗)

◆今から体力作りに励む
 「朝からテンション上がってます!」
 横浜市港北区のフジコさん(仮名、59)は茅ケ崎ライブの発表にわくわくしている。1月8日付紙面で高校時代の恋人との偶然の再会を「Ya Ya(あの時代〈とき〉を忘れない)」とともに紹介した。
 長年、サザンの全国ツアーに「遠征」し続けてきた。24日深夜、FM番組で桑田さんの「大発表」を聞いた。「全国ツアーかと思っていたらピンポイントで茅ケ崎。しかも4日間も。驚きました」。ファン仲間とSNSで盛り上がった。
 「私も年齢を重ねてパワーが落ちてきた」と思う。でも、「茅ケ崎は野外で雨天決行。雨が降っても大丈夫なように、まずは体力づくりに励みます」(豊平森)

◆桑田、ニクいことするよね
 「何か仕掛けがあるだろうとは思ったけど、やってくれるね」
 1月10日付紙面に登場した桑田さんの小中学校の同級生で、中学の野球部ではチームメートだった茅ケ崎市の大久保義雄さん(67)は楽しそうに話した。
 24日の深夜、茅ケ崎ライブの開催と新曲リリースが発表された桑田さんのFM番組を夫婦で聞きながら、「あいつ、本当に茅ケ崎が大好きなんだな。ありがたいな」と語り合った。
 「よっちん」「桑田」と呼び合い、大久保さんの実家の中華料理店で一緒にラーメンを食べた幼なじみ。国民的スターに駆け上がる友の存在は、地元で工務店を営む自分のカンフル剤になってきた。
 実は今回も。7月リリースの新曲の歌詞に、サザンビーチで大久保さんが経営する海の家や「ヨシオ」の名前が盛り込まれていた。
 「ニクいことするよね。おれも年だから少し落ち着こうと思ってたけど、仕方ない、あいつががんばっている間は、がんばるしかねえじゃん」(足立朋子)

◆全国のファン、おもてなし
 サザンが好きすぎて、いったん内定した鉄道会社をやめて茅ケ崎市役所に就職した金子雄基さん(36)。両親も含めて一家で茅ケ崎に移住した経緯と印象に残る曲「I AM YOUR SINGER」を1月9日付紙面で紹介した。
 10年前の35周年の茅ケ崎ライブでは、市職員としてパブリックビューイングを担当した。当時は2日間だったが、今回は4日間開催が予定され、楽しみであると同時に、万全の準備をしたいと気が引き締まる。
 「私と同じように桑田さんのふるさとに憧れる全国のファンを、茅ケ崎市としておもてなししたい。ライブにとどまらず、街じゅうが一つのお祭りになるような4日間になったらと思います」(足立朋子)

 


◆あの夏、忘れられない
 3月10日付紙面に登場した二宮町の槙一彦さん(59)は2011年、東日本大震災の被災地に楽器を贈るキャンペーンに携わった思い出が、「希望の轍」と重なっている。
 中学生のときにデビューしたサザンは「人生のちょっと先輩」だ。還暦を控え、病を克服して歌い続ける桑田さんの姿に憧れる。
 00年に最初の茅ケ崎ライブが開催された当時は会場から2キロほどの場所に住んでいた。チケットは取れなかったが、妻と自転車で会場近くを目指した。自転車も渋滞するほど人であふれていた。あの盛り上がりは忘れられない。
 「ヨボヨボになっても、杖をついても、我々を後押ししてくれる曲を作って、歌い、演奏を続けて、私たちを引っ張っていってください」(小林直子)

 

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