三浦知良さんが日本経済新聞で連載し、三浦知良さんのオフィシャルサイトともリンクしているコラム「サッカー人として」。6月23日には『マンネリよりも「こなす」が危うい』と題して掲載されていた(下の青字タイル以降に全文記載)。
三浦知良さん、今後の去就、6月中に決定か
サッカー元日本代表の三浦知良さんが、J1横浜FCでの練習参加後に日本経済新聞のオンライン取材に応じたそうだ。既に複数のオファーを受けている中「どのクラブも誠意をもって話をしてくれていて、条件面も言ってくれている。あとは自分自身が決めるだけかな」と話したという(6月21日 日本経済新聞)
三浦知良さんは、ポルトガル2部リーグのオリベイレンセでシーズンを終えて帰国後、昨年プレーした鈴鹿ポイントゲッターズなどと交渉中で、6月中に去就を決定する方針だという。
マンネリは最高の娯楽です
「人生が単調な繰り返しにすぎないとしても、そういうもんだと思っている。そこに意味を見いだせると思っている」(記事)―同じ練習(行動、作業)をひたすら繰り返していても、それに何らか意識を込めて、意味を見出してやっていけば、ただやっている時とはまったく違う成果が出る。”こなす”にも”マンネリ”にも同じことが言える。
努力を習慣にまで高める―若い時からいつも私自身に言い聞かせている。習慣化された努力が自身向上の最強の手段だと。
三浦知良「サッカー人として」
マンネリよりも「こなす」が危うい
2023年6月23日
日本経済新聞/三浦知良オフィシャルサイト
サッカーでは冒険的で挑戦的なやつだとみられがちな僕ですが、私生活にかけては、割と保守的じゃないかなという自覚がある。
足を運ぶお店はいつも同じ。メニューがごまんと並んでいるのに、何十年で数種類しか注文していない。はやりの歌に手を付けてはみても、曲の好みは変わらず、カラオケの締めは決まって「夜明けのブルース」。「よく飽きないわね」と家族にあきれられる。
自主練習も「20年間ほぼ同じことをしているね」とはたからつっこまれそう。マンネリにどっぷりつかり、楽しんじゃっている。
ただし練習の目的は変わっていなくても、マイナーチェンジは施していく。動画サイトで「これは」というものはやってみるし、昔のやり方にあえて戻すなどアプローチを変えてみる。
毎日継続していることこそ、流れ作業に陥りがち。体幹トレーニングであれば体幹のどの部位を意識し、負荷を感じつつやれるかが生命線。それが「早く終わらせたい」と気が緩むと、なんとなくこなして終えてしまう。この「こなす」になれるのが一番良くない。
相手を置かないパス&コントロールの練習なんて、ひたすら同じことの繰り返しだ。これも、相手がいると想定してボールを止め、蹴るのと、漫然とこなすのとでは、同じ反復でも成果に大きな違いが出る。
欧州の強豪もJリーグクラブも日本代表も、外形的な練習手法に大差はないだろう。でも上のレベルの選手ほど、マンネリ的な作業をマンネリで終わらせない意識を持ち合わせている。
6月の代表戦では、自分が勝負を決めるという強い自覚が選手一人ひとりに見受けられた。惰性とは対極にある意識を持てている限り、森保一監督が2期目でもマンネリ化せず、競争力を保てるんじゃないかな。
「カズは自分が努力しているとさえ思っていないのでは。それが当たり前過ぎて」という論評を読んだ。そうかもしれない。人一倍努力家だとも思わないし、自分は普通。
人生が単調な繰り返しにすぎないとしても、そういうもんだと思っている。そこに意味を見いだせると思っている。明けても暮れても何かに打ち込めるのは強さであり、「それはマンネリかも」というのなら、マンネリは最高の娯楽です。
(元日本代表)