小学校1年の頃だったか、父と一緒に補助輪を取った自転車に乗る練習をした。車が走り始める前、早朝の自宅の前の道だった。
それと同じようなシーンが中島みゆきの「荒野より」の公式MVに出て来る。急逝した父と一緒に、昔、自転車に乗る練習をしていた息子がそれを回想するシーン。以下の映像、1分10秒からと4分28秒から。
小さい頃、父や母と一緒に自転車に乗る練習をした思い出をお持ちの方も多いかもしれない。
子どもたちが嬉しそうに自転車に乗っている様子が浮かぶ。子どもの自転車死傷事故が6月に入ると増えると言う。子どもたちの無事故を祈るばかりである。
幼いうさこちゃんは自転車に憧れている(春秋)
2023年4月30日 日本経済新聞
幼いうさこちゃんは自転車に憧れている。花が咲く野原を通り、きつい坂道をのぼり、おばさんの家でクッキーを食べる自分を想像する。「はやく おおきくなりたいな。だって、じてんしゃに のるのは たのしいもの」(「うさこちゃんとじてんしゃ」松岡享子訳)
▼「ミッフィー」の愛称で知られるうさこちゃんの生みの親、ディック・ブルーナさんも自転車を好んだ。愛車とは40年以上のつきあい。毎朝ペダルをこいで仕事場に向かい、道すがら作品のアイデアを練ったそうだ。自分の力で前に進む。世界が一気に広がる。自身が慈しんだ大切な感覚を絵本の中に投影したのだろうか。
▼子どもの自転車死傷事故が6月に増える、という記事を読んで暗い気持ちになった。新年度がスタートして2カ月ほど。中高校生は通学路の風景が日常となり、小学生であれば仲良くなった友達とちょっとした遠乗りに挑む時期かもしれない。事故に遭った子らも楽しいひとときを過ごしていたはず、と考えるとせつない。
▼きのうから大型連休が始まった。休みの間に「特訓」をする親子もいるだろう。ハンドル操作だけでなく、安全に乗り続ける知恵も、ぜひ。ブルーナさんは「子どもの涙を見るのはつらいことです。想像しただけで胸がしめつけられます」と語っていた。だから物語は常にハッピーエンド。決して悲しい結末は描かなかった。
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このコラムを読んでいてまず聞こえて来たのが上の中島みゆきの「荒野より」
そして、そして、
松山千春の「MY自転車」(1978年/「青春」B面)
と
「サイクリング」(1980年/「夜明け」B面)
松山千春の楽曲中、”自転車ソング二天王”と呼ばれている(かどうかは不明)ファンの間ではヴィンテージ的な2曲。
45年間思い続けているが、なぜ、MY+自転車=MY自転車となってしまったか…。
まぁ、前向きに解釈すれば、たしかに全英語で「MY BIKE」や「MY BICYCLE」でも、全日本語で「僕の自転車」「私のチャリンコ」などでも、歌のタイトルとしてはどれもかなり座りが悪い。
そう考えてみるとやっぱり「MY自転車」、必然性のある、座りのいいタイトルかな…。
松山千春、おそらくまんざらではないんだと思う。ライブで何回か聴いて来たし、何といっても2016年、デビュー40周年記念の日本武道館弾き語りライブでのオープニングがこの曲。
まじ??こんな意義あるライブで「MY自転車」から入る???…そう思った記憶の方が鮮明に残る。
メモリアルライブ、真駒内の「長い夜」、10周年の「愛を奏で」、20周年の「大空と大地の中で」、30周年の「現実」などと比べてかなり異色。
「サイクリング」、私自身はライブで聴いた記憶がない。短い歌詞の中で”サイクリング”が9回も出て来る、要するにサイクリングの歌。
松山千春曰く「(恩師の)竹田健二さんがこの歌を聴いて、いい歌だ、と褒めてくれた」(主旨)。竹田さんが絡む話題で嘘は言わないだろうけど、その後松山千春がまた曰く「これがいい歌?竹田さん大丈夫かな?」(同)と思ったらしい。
最後に中島みゆきの「荒野より」を持って来ればよかったかな?コラムの内容と関連させたかったが、終わり方が見えなくなったのでこのあたりで。