<2023.5.11再掲>
<2023.5.8記事>

 

 

■NHKネットラジオ「らじる★らじる」で第1部、第2部ともに5月12日まで聴き逃し配信中

 

さて、5月5日、約9時間にわたってNHK‐FMで放送された「今日は一日“長渕剛”三昧」、いい内容だった。

 

録音ながら、長渕剛へのインタビューとギター弾き語りを随所に織り込みながら、長渕剛を愛するフットボールアワーの後藤輝基、ココリコの遠藤章造、プロレスラーの鷹木信悟など多くのゲストを迎え、それぞれが長渕剛とその楽曲に纏わる思い出を語っていた。

 

【三昧で聴きたい長渕ソング】TOP50

 

※以下記事内に記載

 

リスナーからこの番組に寄せられた投票を基にラキングされている。あえてライブ音源でかけた曲があり、これもよかった。

 

全国各地にいる長渕ファンの知人たちも、”〇〇年のあの会場で弾き語りでの●●”などとリクエストしたり。それ、絶対にかからないよなぁ。その人の1票しか入らないぞ”…長渕命のみなさんならではの選曲。

 

ほぼ自分がイメージした曲が入っていたが、その順位には驚いた曲もあった。

 

フットの後藤も「え~!高速道路だったら、速すぎてきっぷ切られるで!」と言って驚いていたが、「東京青春朝焼物語」が43位。私の中でも、長渕フェイバリットソングの上位に入る曲が、番組開始早々に流れた。しかも43位。

 

東京に出て来た若者の、不慣れな東京での生活の様子と心理を細かく描写する。ひとつひとつのシーンが自分の体験と合致するわけではないが、大学を卒業し、東京で就職して2年目。「今日から俺 東京の人になる のこのこと来ちまったけど 今日からお前 東京の人になる せっせせっせと東京の人になる」と思っていた。

 

「東京青春朝焼物語」」(2021年LIVE映像)

 

あとは「いのち」が40位、「西新宿の親父の唄」が29位、「しゃぼん玉」21位。これらも意外で、もっと上位と思っていた。

 

大好きな「夕焼けの歌」がランキングされていなかったのは残念。「自分のために」も入って欲しかったが、これは現状での最新オリジナルアルバム『BLACK TRAIN』(2017年)に収録されていて、やはりアルバム自体の売上枚数も関係しているだろう。

 

近年発表された一番新しい楽曲でランクインしているのは「富士の国」(2015年)のみ。

 

自分の中では名曲と思っているが、こういうランキングに入って来るかな?と思っていた「夢破れて」が27位。同じく「ふるさと」が44位。入るだろうと思っていたが、これほど上位とは思わなった「鶴になった父ちゃん」が4位、この辺りは嬉しかった。

 

「夢破れて」

 

1位は「HOLD YOUR LAST CHANCE」

 

2位が「Myself」。まぁ、誤差の範囲かな。私の中では、実質的かつ常に第1位はやっぱり「Myself」だと思っている。

 

聴く人のその時の心境、状況によって歌の入って来方は違うものだが、どんな場合であれ、”聴く人の心の掴み具合”では何と言っても「Myself」、その点でこの歌の右に出る曲はないぐらい思っている。

 

あらためてラジオから流れてきた長渕剛50曲、新鮮に聴けたし、これまた改めて、長渕剛、いい歌詞を書いているなと思った。

 

BGMとして長渕剛の曲はなかなか聴けなくて、そこに紡ぎ出されている歌詞と向き合い、自分に引き当てるように聴いてしまう。それが長渕剛の願いなんだろうし、ひとつの歌が持つ力と言える。

 

第2部で流れたインタビューの中で気に止まったものの一部を以下に記した(内容は要旨)。

 

関西フォークの源流から僕は来ている。友部正人さんや、亡くなられた加川良さん。すごく敬愛して、今でも尊敬している。

 

こうせつさん(南こうせつ)と同じ事務所に5年いた。その時こうせつさんのツアーの前座でやらせていただいた。その中でこうせつさんが「お前、ラジオやれよ」って言われて、こうせつさんのラジオで「裸一貫 ギターで勝負」というコーナーを10分間、持たせていただいた。大反響だった。

 

いまだに僕はこうせつさんに頭が上がらない。僕はこうせつ先輩に出逢わなければ世に出ていないのかもしれないですね。


こせつさんはいつもにこやかにされていますけど、僕は知ってるんですよ。”あの人、目が笑ってない”って(笑)。巷では最強説がある、強いですよ。いつも目は切れるような、剃刀のような目をしていました。”お前、それ言うなよ”って言われるんですけどね(笑)。こうせつさんは気骨のある九州男児です。たくさん勉強になりました。

そろそろ畳み込みの時が来たなと思ってるんですね。ある程度自分の感性みたいなものが完成形を迎えていて、それを、余計な言葉を省いてどう歌詞に落とし込むか。

 

いろんな言葉はもういい。”悲しいよ~”っていうフレーズで100万人の人を泣かせることができるか、とかですね。”寂しいよ~”っていう響きで100万人の人が”そうだ~!”って言えるかどうか、例えばですね。そういう普遍的な歌を目指します。100年残る歌を書き始めなければいけない、ということを勝手に自分に課してですね、そういう人生の旅をしようかなと思ってますけどね、難しいんですよ、これが。

僕の人生は間もなく幕を閉じるぞ、という気持ちを歌に託していきたいと思います。一人の人生は小さいもの。振り返ればひとつひとつのシーンが輝いている。でもそれにすがりつくんじゃなくて、まだまだと、もがいてもがいて、人と人を結ぶように限りなく優しく生きていきましょう。