<2023.9.5再掲>
<2023.8.19再掲>
<2023.4.5記事>
子どもたちが生きる希望を持てる社会になって欲しい。しかし大人の視点で見れば、今の日本は、日本の社会は、子どもたちを取り巻く環境は、決してそうはなっていないように思う。
相対的に「人との関係」が希薄化し、子どもたちを支える「人の不在」が進んでいるのだと感じるし、そこに根本的な問題のひとつがあるのかもしれない。
家族や友だち、師匠、先生、憧れの人…誰であれそれが人であればベストなのだと思う。
場合によっては、人でなくても、歌でもいい、小説でもいい、詩でもいい、言葉でもいい、映画でもいい。信仰でもいいし、なんらかのコミュニティでもいい。ふるさとやどこかの場所でもいい。
その人を支える誰かがいて欲しい。支える何かがあって欲しいと願う。
__
「歌は革命を起こせない。しかし、歌は、自殺を止める力を持っている」(村上龍)
「(日本は)ずっとずっと貧乏で、本当は今も貧乏なのだ。本当に豊かならば、十人の桑田佳祐がいて、十のサザンがあるだろう」(同)
(天声人語)どこかに「止める力」を
2023年3月19日 朝日新聞
「歌は革命を起こせない。しかし、歌は、自殺を止める力を持っている」。サザンオールスターズの桑田佳祐さんの歌詞集『ただの歌詩(かし)じゃねえか、こんなもん』に寄せた解説で、作家の村上龍さんはそう締めくくった。39年前の高校時代に読み、深く共感したのを思い出す▼絶望しかないとき、思いとどまらせるものはないか。昨年の小中高生の自殺者数が514人だったという厚労省の発表に、やりきれない思いがした。統計のある1980年以降で、最も多い▼学業不振や進路の悩み、友達や親との不和といった原因から見えるのは、将来への不安と支える人の不在だ。コロナでつながりが減った一方、家にはストレスを抱えた親がいる。相談する場が必要だ▼その窓口が電話主体であることについて、NPO「あなたのいばしょ」の大空幸星(おおぞらこうき)さんが貴重な指摘をしている。いまの子どもは電話を使わない。友人との会話もSNSなのに、深刻な悩みを電話で打ち明けられるだろうかと▼求められているのは声より、チャットによる文字でのやりとりなのだ。子どもの伝達手段が進化しても、受け止める大人が追いつけているか。希望が持てる社会にできていないことにも、責任を感じる▼村上さんは、日本は「ずっとずっと貧乏で、本当は今も貧乏なのだ。本当に豊かならば、十人の桑田佳祐がいて、十のサザンがあるだろう」とも書いた。だめな大人の一人として伝えたい。歌でもチャットでも何でもいい。生きていてほしい。
__
桑田佳祐 – 明日へのマーチ(Full ver.)
桑田佳祐
「明日へのマーチ」
(作詞作曲:桑田佳祐)
遥かなる青い空
どこまでも続く道
希望を胸に歩いてた
あの夏の頃
想えば恋しや 忘れがたき故郷
願うは遠くで 生きる人の幸せ
風吹く杜 君住む町
良い事も 辛い事も
それなりにあったけど
野も山も越えて行こう
明日(あした)へのフレー!! フレー!!
夕暮れに霞む空
見上げれば十五夜月
黄昏に色づくは
宵待ちの花
夢にも寄り添う 愛しい人の面影
もう一度逢えたら あるがままの姿で
涙の河 溢る想い
子供らが笑う時
新しい朝が来る
希望を胸に歩き出す
足音よ フレー!! フレー!!
想えば恋しや 忘れがたき故郷
芽ばえよ かの地に
生命(いのち)の灯を絶やさず
輝く海 美しい町