2023年4月2日
「松山千春 ON THE RADIO」(2)
過去の果は現在、未来の因も現在。しかれば、すべては今にあり―古来、因果の法則。生き方の法則。
番組の中盤、家族とのかつての日々を振り返りつつ、今を必死に生きる、今日を全力で生きる…時に刹那的な面を見せるものの、幼少の頃からの環境と経験によって培われたと思われる松山千春の変わらぬ人生哲学を語っていた。
(30:33~)

(左:父・明さん/右:松山千春)
俺も今になってつくづく思うけどさ。やっぱり親孝行って銭金じゃないんだよな。俺は、変な意味、経済的な部分ではほんとに親孝行したと思うよ。父さん、母さん、ずっと貧乏な生活していて。別に金に恨みはなかっただろうけど。しかし俺がこうやって歌を歌うことによって、今まで見たことがないような金を…。いろんなものに使ったりなんかして。
けど、幸せだったか?と言われたら、ん~貧しくても、父さん、母さん、姉ちゃん、弟、俺、五人で見ずぼらしい家で、毎日必死に、どうやって食っていったらいいべ?…そうした毎日の方が幸せだった気もするしな。

(左:松山千春/右:母・ミヨさん)
お互い、いつが幸せか?って言われてもなぁ。ん~、正直、今が一番、今が一番、と思いながら暮らしていくしかないなと思うし。明日はきっとやって来るだろう。
あなたにとっても、俺にとってもきっと明日は今日よりもいい日がやってくるんだと思う。そのためには今日をどうやって生きたか。それによっていい明日がよりいいかたちでやってくるんじゃないかなと思います。
松山千春―「私の明日には」
(1980年/アルバム『木枯しに抱かれて』収録)
深くため息ついてみたら
つくり話にあきていた
深くまぶたを閉じてみたら
眠れぬ自分に気がついた
暗い闇のその中で もがき回るために
今日まで歩いたわけじゃない
今日まで生きたわけじゃない
私の明日には 私の明日には
遠く後ろを向いてみたら
隠しきれない悲しみが
遠く後ろを向いてみたら
戻れぬ自分に気がついた
長い旅路のその中で 迷い戸惑うために
今日まで歩いたわけじゃない
今日まで生きたわけじゃない
私の明日には 私の明日には
私の明日には 私の明日には