【映画】
予告犯
劇場公開日:2015年6月6日
鑑賞日:2023年3月26日 NETFLIX
解説 (映画.com)
高度情報化社会におけるテロリズムを描いた筒井哲也の同名コミックを、生田斗真&戸田恵梨香共演で実写映画化したクライムサスペンス。「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督がメガホンをとった。ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯「シンブンシ」の捜査を開始。シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく。共演に「HK 変態仮面」の鈴木亮平、「偉大なる、しゅららぼん」の濱田岳。
2015年製作/119分/G/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
監督:中村義洋
原作:筒井哲也
脚本:林民夫
キャスト:生田斗真、戸田恵梨香、鈴木亮平、濱田岳、荒川良々、坂口健太郎、窪田正孝ほか
所感
ここ1週間、体調が万全ではなく3月26日(日)は何も予定を入れずれに自宅で休んでいる中、NETFLIXで鑑賞した。
社会から取り残された人々に対して、「みんな同じ状況で苦しみ、そこで戦っているんだ。あまえるな」といった主旨の言葉はよく聞かれるのかもしれない。それは永遠の課題であり、ずっと残り続ける決して折り合わない理屈なのかもしれない。しかし、取り残された人々にしか分からない実情は必ずある。そこから抜け出そうと努力しても、揺るがし難い現実は必ずある。その時、その人々の言葉をまずは聞いてくれる人がいれば、救われ、また現状に立ち向かう力が出るものである。その「聞く人がいない社会」は、ある意味「分断されたゆとりなき社会」と言えるのかもしれない。そこにもまた問題の本質があるように思う。
エスカレートする犯行の本当の目的とは?”そんな小さなこと”に自分たちの命を賭けて動くことがある。中盤からのストーリー展開はまったく予想できない。すべての伏線が繋がって辿り着く結末に驚き、「なるほど、そう来たか!」…そこに主人公の奥田宏明(ゲイツ)役の生田斗真の存在が静かにしかし大きくそびえ立つ。
クライムサスペンスでありつつ、心に沁みるヒューマンドラマと言える見事な作品だった。
映画『予告犯』予告編