2023年1月22日
「松山千春 ON THE RADIO」(2)
番組の最後、リスナーからのメールに応えて、イヤモニ(イン・イヤー・モニター:超小型スピーカー内蔵のイヤホン、モニター)について語っていた。
-千春さんはイヤモニは必要ないのでしょうか?また、着けている時と着けていない時の違いはあるのでしょうか?-
(51分07秒~)
イヤモニな。うちでは…メンバーの誰か、イヤモニ着けていたことがあったかも知れないけど、俺はダメなんだ。やっぱり名古屋の東海クリエイトさんが作ってくれるモニタースピーカー、これを聴きながら歌わないとな。
イヤモニすると孤立感、ヴォーカルとしての孤立感を感じることができる。ところがコンサートの一体感は感じることができない。やっぱりイヤモニして集中したい、そういうアーティストはそうしたいんじゃないの?
俺はそれよりも、歌がどうのこうのよりも、いわゆるコンサートで一体感、“この町に来て、わざわざ足を運んでくれたお客さん、今、同じ時代、同じ時間を過ごしてますよ”っていうその一体感の方を大切にしたいと思ってるからね。イヤモニはすることないと思いますよ。歌詞カードを無くせ、って言われたらこれはもう“ごめんなさい”ですけどね。
まぁ、イヤモニは私は、コンサート、ライブをするんならだぞ、すべきではない、というふうに感じますけど。けど、きれいに歌いたいから、っていう連中はいるからな。まぁ、腕のない連中はそういうふうにさせればいいよ。
上の松山千春の語りの最後の部分(最後のパラグラフ)はちょっと言い過ぎで、決めつけ的な響きがあるかな。
「俺はお客さんとの一体感を大事にしたいからモニタースピーカーを使用し、イヤモニはしない」という自分の考えを表明すればいい話だと思った
松山千春はイヤモニは好まず「東海クリエイトさんが作ってくれるモニタースピーカー」で歌や演奏の音を拾っているということであって、それが人によってはイヤモニを使用する場合だってある。返しの音などをどう自分が拾うか、手段(方法)の違いだけ。
イヤモニを使用する、使用しない、使用する場合でもイヤモニから何の音を流すか(バック演奏、自分の声、ミックス音、リズム…)などは、歌い手や奏者それぞれの判断、好み。
上にも書いたが、そもそもイヤモニから何が流れているのか?
イヤモニ(高音質イヤホン、プロ用イヤーモニターなど)を製造しているジェイフォニック株式会社(山梨県甲府市)の担当者は次のように言っている。
このモニター(イヤモニ)からは決められた特定の音だけを聴くことができるので、コンサートでイヤモニをつけると、ミュージシャンは難聴などの原因となる大音量を防いで、演奏に必要な音だけを直接聴くことができます。
では、イヤモニで何を聴くのでしょう?
実は、コンサートなどで会場に流れている歌や演奏は、ステージからは聴きとれなかったり、会場の反響でリズムやテンポがズレて聴こえてしまいます。そのため、ミュージシャンは演奏しづらくなります。そこで、自分たちの演奏した音をミキサーという機械に集め、歌と楽器の音をミックスして音量や音質を整えて、聴きとりやすくしてモニターから流します。コンサートのステージ前方には箱状の据え置き型のモニターもありますが、イヤモニなら会場のどこにいても正確に音が聴け、耳の機能も守れます。(子供の科学のWebサイト)
どうあれ会場にいる人たちによりよい歌や演奏を届けるために使用しているということ。
我々のような超ど素人バンドが小さなライブハウスでやっていても、歌や他の楽器の音に紛れて自分のギターの音がほとんど聞こえず、どう響いているか気になる。
自分によく聞こえるまでギターアンプの音量を上げたらハウリングしたり、バンド全体の音のバランスが間違いなく崩れる。そこで自分のギターの音を拾うスピーカーモニターやイヤモニが欲しくなるもので(我々のバンドはそこまで揃えられないけど)。
重複するが、音を拾う際に、それがモニタースピーカーだったり、イヤモニであったりという手段の問題であり、歌い手や奏者の自由だと思う。
長渕剛-「ローディー」