さて、大学時代のゼミの先生が今年3月末日で定年退職される。副学長まで歴任された先生ももう70歳を越えられた。
まだ先生が講師だった頃にゼミが出来て、私はその3期生。ゼミは3年からだったけど、とにかく本を読まされ、レポートを書かされ、意見を言わされた2年間だった。それらが「有り難かったなぁ」と今になればしみじみ思う。
毎月一冊、先生から提示される新書を読んでレポートを書く。提出したレポートの最後には多くても2行程度で、先生の厳しいコメントが赤字で書かれている。それを見て一喜一憂の「一喜」はまさに1回しかなかった。
ある月は当時でも絶版になっていた樋口陽一氏の「比較のなかの日本国憲法」(岩波新書)が課題図書だった。
大学3年の夏、神田の古書店街に行き、一番御茶ノ水駅よりの古書店から始めてほんとんどの店に入って探したが見当たらず、最後の書店で見つけた時にはその場で「おー!」と歓声を上げた。
そのことをレポートの最後に書いたら先生から赤字コメント、厳しいコメントの最後に「実際に書籍を探しに行ったことは善!」と書かれていた。レポート内容に関することではなかったが、唯一の褒めコメントを今でも覚えている。
昨年9月に大学の同窓会をやった際に、参加した同じゼミだった彼から相談された。
「先生、今年度で退職だから、最終講義や退職パーティーやった方がいいじゃないか?虹野から先生に相談してみてよ」
それは私も思っていたが、要は誰が中心的にやるか?音頭をとるか?ということ。圧倒的に卒業生の方が多いわけだから最後のゼミ生、現役の4年生の学生さんたちに任せるのは忍びない。
私より先輩のゼミ生の顔も浮かんだが、ここはひとつ自分がやるしかないか。で、11月に先生に電話した。
「ちょうど私も考えていたんだよ。最終講義の開催は大学の判断だけど、最後のゼミ総会(パーティー)は、私からみなさんへの感謝を込めて、また久しぶりにゼミの卒業生が集まる機会にもなるので、ぜひやろう。虹野君に実行委員長をお願いしようと思っていた矢先だったんだ。いいタイミングで電話をくれたねぇ。はははは」
ということで、若手を含めていくつかの世代のゼミ幹事に声をかけ実行委員会を発足させた。「やらないとは言わせないぞ」…私と同期の2人も強制的に入れた。それが昨年10月。以来月1回、オンラインで実行委員会を開催してきた。
最終講義は大学で、ゼミ総会は東京都内で、いずれも3月上旬の同じ日に開催する。
ご家族も可として総勢100名強参加想定で会場を探し歩いた。安価な会費で、ロケーションとしてもいい場所が見つかった。
昨年12月中旬に全ゼミ卒業生に開催案内を発送し、出欠はGoogleフォームで入力してもらう。
まぁ、100名いくかいかないかあたり、想定どおりの参加者になるだろう。当日含め可能な限りでの感染防止対策も徹底済み。曲出しもほぼ終わり…いやいいや式次第もほぼ確定し、挨拶や乾杯、余興などをやってくれる人たちへの依頼も終わった。
あと約2か月。2月頭に最後の実行委員会を開催したらあとは本番。参加してくれた卒業生のみなさんが先生との時間をかみしめることが最大の目的。大成功に向けてもうひと頑張り。
アコール1を歌い終えた段階でマイク🎤を高く放り投げていないので、マイクに故障なし。アンコール2、総会開催前、最後の一声
「社会の閉塞感など蹴とばして、生きづらなんか吹き飛ばすぜ!ゼミ卒業生のみんな、集まって来いよぉ~ぉ~ぉ~!🎤」
馬場俊英―「人生という名の列車」
(Official Lyric Video/ライブ音源)
馬場俊英「人生という名の列車」
(歌詞抜粋/全編は上のlyricVideoで)
人生という名の列車が走る
時代という名のいくつもの街を行く
せつなくもバカバカしく愛しい季節がやがて過ぎた頃に
列車が着いたのは「旅立ち」という名のターミナル
パパとママがくれた切符もここまでさ
旅立つ友達がみんな大人に見えたっけ
あれは確か 平成の元年
いつしか大人になりわかったことは
大人もみんな迷っていたんだっていうこと
拝啓 先生 あの頃 あなたも迷っていたんですね
前略 父さん母さん
あなたたちもこの風に吹かれていたんだと
この向かい風に立ち向かっていたんだと
遅まきながら知った気がした
あれは平成十年
言い忘れたけど この旅の途中から僕にも
愛する人と二人のかわいい道連れがいて
僕はもう僕だけのものではなくなり
つまりこの人生の旅も もう僕だけのものじゃない
窓を眺めながらこぼれた この涙はなんだろう?
平成十五年
ところでこの列車の行き先を決めるのは一体何だろう
偶然か実力か運命か それとも神様の気まぐれか
地平線の向こうから吹き付ける風 水平線に朝の光
この戸惑いと不条理の世界 人間社会にようこそ
でもどんなときも信じる事 決してあきらめないで
向かい風に立ち向かう 勇敢な冒険者でありたい
平成十八年
このレールの向こうに広がる世界
さあ行こう 旅を続けよう
今また旅立ちのベルが街に鳴り響き 列車が動き出す
どんな時も向かい風に立ち向かう
勇敢な冒険者でありたい
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撮影者:akira_1972_さん
撮影日時:2021.12.31
撮影場所:徳島県「大歩危駅」