『復活への底力
運命を受け入れ、前向きに生きる』
(出口治明/2022年7月20日
講談社現代新書)
著者は立命館アジア太平洋大学(APU)学長。
2021年1月9日の朝、脳出血で倒れ緊急搬送。一命はとりとめたものの、意識障害、右半身麻痺、失語が出た。
通常なら引退。しかし同年2月から、学長職復帰を目指し1年強のリハビリ。
電動車椅子を操り、今年4月学長に復職。復職を目指した学長の執念とリハビリの様子が、実際にリハビリを担当した理学療法士、言語聴覚士らの証言を多数挿入し、詳しく書かれている。
出口学長、復活、復職されて何よりです。嬉しく思います。
「将来何が起こるかは誰にもわからないのなら、川の流れに身を任せるのが一番素晴らしい。人間にできるのは、川に流されてたどり着いたその場所で、自分のベストを尽くすことぐらいです」(同書87㌻)
「川の流れに流されて学長にたどり着いた以上は、教育のこことを一所懸命勉強して頑張るし、病気で倒れたら、復帰に向けて一所懸命リハビリに取り組むだけのことです」(同上)
「人はその場所(境遇)に居合わせたときに、どんな適応ができるか。すなわち、どんな意欲を持ってどんな世界にしたいと思って動くかは、自分の意志次第です」(同85~86㌻)
「なにより明確なゴールに向かってただ真っすぐに進んでいく人生より、川に流され、時には岩にぶつかったり濁流にのまれたりしながら、思いもよらない展開のなかで一所懸命生きていくほうが面白いにきまっています」(同87㌻)
「何度も繰り返しますが、人生は楽しまなければ損です」(87㌻)
※以下の3枚は同書に挿入されている現在の写真と、リハビリ中の写真
「人生はそこで楽しむんです」―2020年11月28日、別府にあるAPUを訪ね、出口学長に15分間会見していただいた時にも言われていた学長のモットー。あの時は学長の「読書論」も話してくださった。
あの時学長の最新刊だった「還暦からの底力」を読了していたので、それを持参しサインもしていただいた。