注意11月17日東京公演内容についての詳細記載あり注意

 

松山千春コンサート・ツアー2022

11月17日

東京国際フォーラム

 

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<セットリスト>

【一部】
01. 優しい風
02. 時のいたずら
03. あなたへの愛
04. 旅立ち
05. ひき潮
06. 限りある命

【二部】
07. 時代
08. 決意
◆橋戸公園(小川哲央)
09. 銀の雨
(弾き語り/ゴダン)
10. 燃える涙
11. 生命
12. 憂い

【Encore1】
13.長い夜
14.浜辺
15.人生の空から
16.大空と大地の中で

【Encore2】
17.雪化粧


これまで二階席や一階のかなり後方席が多かったが、かなり久しぶりに比較的前方席、10列目後半。松山千春の表情までよく見えた。

 

以下メモできた部分だけトーク(要旨)を記載(トークを記載していないところは、トークがなかったわけではない)し、後半に感想を書いた。

 

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「優しい風」

 

今回、大都市、東京は一日だけにした。そのお陰で関東各地細かく行くことができた。茨城県だけ申し訳ない、行けていないが、新幹線で通過した。一昨日の飯能でのコンサートもお客さんが本当に盛り上げてくれた。

 

「時のいたずら」

 

今日は東京Ver.の選曲でやる。

 

「あなたへの愛」

「旅立ち」

 

すべてに全力で歌う。二階席そして一階席の後方まで俺の魂を届けるような気持ちで歌う。俺の魂をお前達に「いえ、それは要りません」と言われたら…それはそれよ。

「旅立ち」を歌うたびに幾つになってもデビュー当時のことを思い出し、歌ってきた46年間が蘇る。忘れられないことばかりだ。

 

恋愛の気持ちも歳をとるたびに引いていくもんだ。若い頃はどうにでもなれ、という気持ちでいけた。だんだん責任が伴って来て、無理ができなくなった。引いていった。そして最後の最後にもう1回波が来て、80歳になった時に、79歳の子(女性)に惚れることだってあるかもしれない。

 

「ひき潮」

(このあたりから歌唱に調子が出て来る)

 

本来ならこれで一部は終わりだけど、終わらない。俺のことをデビューした頃から知ってくれている人は懐かしく感じるかも知れない。(前奏開始で会場から拍手)

 

「限りある命」

 

(1981年 日比谷野外音楽堂ライブ音源)

 

「時代」

 

(ファーストフレーズは夏目一朗)

今日の夏目は気合いが入っていたぞ。「こんな時代に生まれたから~~」の最後を伸ばす時は気合いが入っている。本来なら伸ばすところじゃないんだよ。袖で見ていておかしくてしょうがなかった。

 

(メンバー紹介。メンバーそれぞれの楽器の良さが一番出るような象徴的な曲のフレーズを順番に演奏。このコーナーはよかった)

 

「決意」

 

 

ここで夏に行われた松山千春シンガーソングライター・オーディションで最優秀賞を獲った小川哲央、彼が東京出身ということもあって、今日は来ています。

(小川哲央がギターを抱えて入場。会場から拍手)

 

 

なぁ、初々しいよなぁ。俺もデビューしたての頃はこうだったんだよ。東京厚生年金会館小ホールで歌った頃は。オーディンで小川がよかった点は、まず声がよかった。そして詞がよかった。

 

(小川哲央)ありがとうございます。僕も師匠(松山千春)の背中を追いかけて、いつかこういうたくさんの皆さんの前で一人で歌えるよう頑張っていきます。

 

「橋戸公園」

(小川哲央)

 

スタッフが小川哲央の弾き語り用マイクを引こうとした時、「おい、ちょっと待て。小川が弾き語りしてくれたのに、俺がやらないわけにはいかないだろう」と言った後、スタッフが弾き語りのセット。

 

「しかしギターは小川の方が上手いな。俺はあんな器用な弾き方はできないけど、誠意を込めて歌います」

 

「銀の雨」(ゴダンギターで弾き語り)

 

「燃える涙」

 

千代の富士が6年前にがんで亡くなってしまった。本名は秋元貢。貢が”千春、今度俺のドラマ(「千代の富士物語」)やるから主題歌作ってくれよ”って言ってきた。俺は”馬鹿かお前。俺じゃなくて、みゆきとかドリカムとか玉置にお願いすればいいだろう”って言ったら、貢が”ばか。北海道って言ったら千春しかいないべや。頼むよ”…この辺が貢のうまいところだな。ついつい乗せられて作ったのが「燃える涙」。貢も”いい歌だ。ありがとう”と言ってくれた。

 

あんなに小さい体の貢が国民栄誉賞までいただくぐらいの大横綱になった。あいつの稽古を見たことがあった。必死に稽古していた貢の涙が燃えていたんだよ。

 

「生命」

「憂い」

 

 

「長い夜」

「浜辺」

「人生の空から」

 

昔、母さんと一緒に山にキノコ採りに行った。クマに遭遇する可能性があるからな、”母さん、行ってきてくれ”(会場爆笑)。ばっか!母さんが採っている間、クマが来ないように俺が大声で歌ってるっていうことなんだよ。足寄の山の中で、俺が大声で歌っている、そんなシーンをイメージして聴いてくれ。

 

「大空と大地の中で」

 

(「雪化粧」の前奏を止めて)東京にも来年春また来ます。ぼけたりしているかもしれない。さっき「旅立ち」歌ったのに、何も気にせずまた「旅立ち」を歌ったりしてな。その時はお前ら、何事もなかったかのように”ああ、初めて聴くわ”っていう顔をして聴いていてくれよ。これからもずっと歌い続けていきます。

 

「雪化粧」

 

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会心のステージだった。私の中では、2019年秋のツアー、東京国際フォーラム公演以来(あの時は急きょ「バラード」や、「帰りたい」も弾き語りで歌った)。

 

コンサートが終わって、フォーラムの階段を降りたところ、東京駅に向かう通路で、30年以上一緒に参加し続けている方と歩きながら「今夜はよかった!やっぱり選曲だな」と何度も話した。ここ最近はだいたいここで不満をぶちまけることが多かったが。

 

オープニングの「優しい風」から「時のいたずら」「あなたへの愛」までの3曲は音程が少々安定していなかったが、4曲目の「ひき潮」から調子が出てきて最後まで、いつもの松山千春の歌唱だった。

 

もちろん、ほぼ全曲で高音部分が半音程度上がり切っていないのはここ10年ぐらいかな?ほどんど変わらず、仕方ないところ。

 

キーを2つほど下げれば問題なく歌えると思うが、それは松山千春のプライドが許さないだろう。

 

 

「限りある命」「決意」「銀の雨」(弾き語り)「燃える涙」「憂い」「雪化粧」は本当によかった。それぞれの曲を初めて聴いた頃の情景が蘇ってきた。

 

40年以上応援し続けている松山千春の世界は、本来こういうものだろうと心から思った。

 

弾き語りの「銀の雨」。歌う前、Emのコードでポロポロ音を出していたので「銀の雨」だろうと思った。ここで弾き語りで歌ってくれたのは本当に嬉しかった。第一部でフルバンドで歌っていたら、またか、としか思えない。

 

ただ、いつも書いているが、スリーフィンガーの曲でゴダンのガットギターを使うのは止めて、本来の鉄弦のアコースティックギターの方がいい。押さえる指が痛いからどんな曲であれ最近はほとんどゴダンだが、ガットギターはどうしても音がべたつく。細かい音を多く出し響かせるスリーフィンガーの曲のギター伴奏には向かないし合わない。

 

加えて、コードを押さえる指が他の弦に触れてビリビリ音が結構な頻度で出ていたし、コードも何か所かで間違えていた。まぁ、この辺りは松山千春のギター演奏の基本テクニックと言っていいほど定着している点だけど。

 

あとは二部で伝えたいメッセージからすれば、二部ラスト手前が「生命」である必要はないと思うし、そもそも「生命」はもう何十回もライブで聴いている。いい曲だと評価しているが、ここまで何度も何度も歌われると、当分いいかな。

 

ここはぜひとも「残照」を歌って欲しかった。心から「残照」を待っていた。そうすればメッセージにもより一貫性が出たと思う。

 

「時のいたずら」「人生の空から」ももう当分いいかな。

 

 

逆説的でネガティブな言い方だが、「恋」「燃える日々」「電話」「ピエロ」、フルバンドでの「銀の雨」あたりが歌われなくてよかった。

 

要するにこのあたりが出ると、どうしてもカウンター的に”あぁ、またか。セットリストを一考して欲しい”と思ってしまう。

 

もし私が普段聴かないミュージシャンのライブに初めて参加したとしたら、全部ではないにしても何曲かは、やっぱりヒット曲や知っている曲を歌って欲しいと思う。

 

その意味で、松山千春の場合、その世界を伝えるということを考えると「長い夜」と「大空と大地の中で」の2曲は固定でいいと思っている。曲順は柔軟に変える必要はあると思うが。

 

とくに、ほぼ固定化した曲が並び、どうしても”またか…”感が出て来る第一部の選曲をちょっと工夫すれば、セットリスト全体のイメージもだいぶ変わる。

 

今年の春のツアーのように、歌ったほぼすべての曲で、もう少し外したら別の曲、と言えるほど音程を外しまくることがない限り、音が上がり切らないことや声が出ていないことは止むを得ないと思っている。

 

やっぱりライブにおいては、セットリストをいかに工夫するか、曲選びを丁寧にかつしっかり吟味するかにかかっているように思う。

 

あとは松山千春本人も「今日は気分がいい!」と言っていたように、気分上々、体調良好の日の松山千春に当たれば、まだまだ満足する嬉しい時間を共有することができるだろう。

 

それにしても、とくにステージからはける時の歩く姿、おじいちゃんになったなぁ。

 

 

最後にひとつだけ。

 

今年春もそうだったが、バックバンドの演奏は素晴らしかった。長渕剛のバックバンドもすごいと思うが、長渕とは違う世界として、松山千春のバックバンドは見事な演奏を披露していた。

 

中でもエレキギターの山崎淳とベースの高野逸馬。この二人の演奏は、これまでの松山千春の楽曲に違う世界の音を入れ込み、いい味を出していた。山崎淳のエレキの音を聴いていると理屈抜きに、いいな!と思う。

 

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。