<2022-9-20記事>
今日、2022年9月20日は小田和正75歳の誕生日
ただただ畏敬の念しかない。
9月20日放送のTBS朝のバラエティ番組『ラヴィット!』の中でも小田和正の誕生日を祝福し、その代表曲のひとつ「言葉にできない」を紹介しつつ”言葉にできないほど感動したもの”特集を組んでいた。
9月19日にNHKで放送された【僕の“最後の歌”を届けたい「密着 財津和夫 ラストツアー」】の中で、財津和夫さんと財津さんが作る楽曲について高く評価する小田和正のコメント映像が流れたが、妻と一緒に観ていて、雰囲気といい話し方といい「おじいちゃんになったなぁ~」と二人で敬意を込めて思った。
そのおじいちゃんがコロナに罹りながらも今も精力的に全国ツアーを展開し、歌いながら花道を駆け抜けるパフォーマンスを披露している。大変なことである。
また、さだまさしや浜田省吾らにも共通して感じる点だが、小田和正の作る楽曲(とくに歌詞)は年齢とキャリアを重ねるほど深まっている。ベースには人間的な深まり、成熟があるのだろう。その点が尊敬に値する一番の点である。
2022年9月20日の文春オンライン、エンタメページに以下の記事が掲載されていた(ライターは近藤正高氏/タイトルから記事全文へリンク)。その最後の部分のみ以下に抜粋した。
小田和正75歳に 「引退のイメージはあるんでしょうか」と聞かれて…意味深な答えに込められた“真意”とは? 9月20日は小田和正の誕生日
近藤 正高
70代に入っても、ほとんどキーも下がらず昔と変わらない歌声には驚くばかりだが、本人によればとくにケアはしてこなかったという。ただ、72歳から73歳になるとき、初めて声が出にくいと感じた。ちょうどコロナ禍で歌えない日々が続くなか、人としゃべる機会もなくなり、それまで毎日していた腹筋などもやめてしまった。
このまま衰えて歌えなくなってしまうのかと思って医者に相談すると、「鍛えないと弱くなる。小田さんはいくら歌っても大丈夫」と言われ、もう一度、筋力を鍛え直し始めたという(「Yahoo!ニュース・オリジナル」2021年12月22日配信)。おかげで今年のツアーでも初日から花道を駆け抜けるパフォーマンスを披露し、会場を沸かせた。
|「引退のイメージはあるんでしょうか」と聞かれて…
小田は現在まで、今回のツアーが最後だとか、このシングルが最後だとかいうことは一切公言していない。5年前、70歳になる直前のインタビューで「小田さんのなかには引退のイメージはあるんでしょうか」と訊かれた際も、《そこはね、へへへって、「へへへ」って書いておいてください(笑)。そんな感じですね》と答えていた(『「100年インタビュー」保存版 時は待ってくれない』)。
昨年の藤森照信との対談では、数年前より、歌詞を押しつけがましくない程度に自然な情感を込めて歌うようになったという話から、《低い声も出るようになったので、全体的に落ち着いた曲を歌ってみたいなというのはあるね。最後は、『あれが終わりだったんだ』みたいな感じかな。間違っても最後のツアーとかは、なしだね》と、自らの幕引きについてさりげなく言及している(「建設通信新聞DIGITAL」2021年2月3日配信)。はっきりと区切りをつけるのではなく、自然とフェードアウトしていくような形を思い描いているのだろう。ファンとしてはまだ当分のあいだは、元気に花道を駆け抜ける小田和正を見ていたい。
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<2019-6-29記事>
6月26日、さいたまスーパーアリーナでの
小田和正『ENCORE!! ENCORE!!』公演、まだ響いている。
歌から伝わった大きなパワーが刻み込まれている感じ。
スクリーンには楽しそうに嬉しそうに演奏するバックメンバーが何度も映し出される。花道を移動しながら、フロアに下りた時、スタンドに駆け上がる時、何度も目の前で歌っていた。
10曲目~11曲目、「言葉にできない」から「my home town」へと繋いだ2曲もよかった。
19曲目~20曲目、「明日」から「風と君を待つだけ」と繋いだ2曲も嬉しかった。
~苦境に打ちひしがれる君に、寄り添う僕(ら)が語り掛ける。
諦めないで、ひとりで悩み思い込まないで。
心情を吐き出したその後は、顔を上げて前を向いて。
時はまた必ずめぐってくる。君がまた走り始める時を待っている。
大船は白い帆を上げ、大海に漕ぎ出す準備はできている。
あとは強い風と君を待つだけ。いつも待っている~
そう歌う「風と君を待つだけ」。「君と肩を並べてまた走り出す日まで」…優しさあふれる言葉の中に、君の可能性を信じて待つ強さが流れている。
14曲目の「the flag」。
「戦える 僕らの武器は 今 何かと それを見つけて こゝへ 並ばないか
僕は諦めない 誰か聞いているか 僕は こゝにいる」と自身を鼓舞する。
「風と君を待つだけ」とはベクトルは違うが、現実と戦おうとする強い決意は同じ。
あの歌声がまだ響いているのは、小田和正の歌たちから伝わる優しさの向こうにある強さが響いているような気がする。
「風と君を待つだけ」
1992年1月25日にリリースされたシングル「いつか どこかで」のカップリング。
同時リリースのアルバム『sometime somewhere』の8曲目に収録されているほか、2016年4月リリースのベストアルバム『あの日 あの時』のDISC2、8曲目に収録されている。
『あの日 あの時』収録のその歌詞「風に吹かれて 波にのまれて」の部分は、東日本大震災の津波を想起させるということから、「風に吹かれて 雨に打たれて」に替わっている。
どうしても今 君に伝えたい
今でも君を 誇りにしてること
いつも 憧れて
追いかけていた 振り返らずに 走る君を
流す涙を 隠さないで
切ない想いを そのまま 聞かせて
誇りを捨てないで
諦めないで ひとりにならないで
僕らは信じている 君が手を高く上げて
肩を並べて いつかまた 走り始めることを
風に吹かれて 波にのまれて
そのたび君に助けられて
その顔上げて やがて時は来る
その時 僕らに また夢を見せて
誇りを捨てないで
諦めないで ひとりにならないで
僕らは信じている 君が手を高く上げて
肩を並べて いつかまた 走り始めることを
(ひとりにならないで もう一度 夢をみせて)
今 船は真白にかがやく
帆を高く上げて あとはただ強い風と
君を待つだけ
誇りを捨てないで
諦めないで ひとりにならないで
僕らは信じている 君が手を高く上げて
肩を並べて いつかまた 走り出すこと
それぞれの想いと 夢を乗せて
静かに時はゆく
今 船は真白にかがやく
帆を高く上げて あとはただ強い風と
君を待つだけ
(関連 2019.6.27)