2022年8月14日
「松山千春 ON THE RADIO」(1)
番組全般を通して、8月8日に開催した松山千春自身が主催する「シンガーソングライター・オーディション」最終選考の様子を詳しく伝えていた。
番組の中で、その時の音源から、最優秀賞の小川哲央(おがわ てつお)さんの楽曲「橋戸公園」と、優秀賞の紫牟田吏沙(しむた つかさ)さんの楽曲「琥珀の雨」をかけた。
シンガーソングライター・オーディションに関する松山千春の語りは今後掲載予定。
明日が日本における「終戦の日」※ということもあり、番組の終盤で松山千春なりの歴史観、捉え方をもとに「太平洋戦争」について大まかに語った(以下マット上)。聞いていて、松山千春としては、歴史上の出来事の根源にまで遡り、歴史を複眼的に見ていくべきとの主張だと認識した。
それに関する楽曲をかけることはなかったが、ここはぜひとも松山千春が作り残した平和を願う歌をかけて欲しいところだった。
個人的には、短時間であっても「終戦の日」について語ろだろうと予想していた。その際にはぜひ自身の「淡い雪」をかけて欲しいと思っていたので、番組の流れとは別に、松山千春の語りの後に「淡い雪」音源を入れた。
※書くまでもなく、「太平洋戦争」が終結した日には、国際法上、また日本以外の各国の捉え方などにより諸説ある。日本においては、1945年8月15日が、正午からラジオでの玉音放送により、前日に決まったポツダム宣言受諾及び日本の降伏が広く国民に公表された日であることから、日本独自にこの日を「終戦の日」としている。
(42分35秒~)
我々、明日、8月15日が「終戦の日」となっているわけでありますが。1945年8月15日に「ポツダム宣言」を受諾する、というのを日本国民、みんなに知らしめて。まぁ、正式には9月の2日に調印するわけだけどな。
まぁ、8月6日広島、9日長崎、原爆が投下され…。今回も、まぁ、みんなもね、それこそテレビやラジオや新聞や、あらゆるもの(メディア)で原爆投下(について報じて)、また被爆者の方々がね、あらゆる証言をしてくれて。

(2017年7月広島 筆者撮影)
まぁ自分たちは、戦争が終わってからの世代だからな。しかしながら、あの戦争を語り継いでいかなくてはいけないと思うし。今、まさにウクライナ(侵攻)、ロシアの核、に脅かされている(平和がおびやかされている)というような状況なんだけど。
ずうっとテレビでも観てきましたけど。確かに我々日本は敗戦国ですから、最後ひどい仕打ちを受けた…、被害に遭ったんですけど、どのテレビもやってくれなかったのは、なぜ、戦争に至ったか、なぜ、広島・長崎に原爆が投下されるような事態になってしまったのか、そこをやってくれないと。俺はね、そこが一番大切だと思うんだよ。
まぁ、当時な、それこそ産業革命が始まって、ヨーロッパの大国がアジア、アフリカの小さな国、どんどんどんどん植民地化していくわけだ。そんな中、日清、日露の戦いで頑張った日本は朝鮮半島、そして満州と言う国を作り、エネルギーを調達するために、太平洋諸国にどんどんどんどん攻め入っていくわけだな。
そして最終的には、まぁ、世界から“何やってんだ日本は。こんな小さな国が”…日本は何を間違ったか、アメリカに…いわゆる“リメンバー・パールハーバー”だな。真珠湾に攻撃するに至った。その時の日本の軍、陸海空、軍隊は“アメリカとやったら2、3日はもつけど最終的には負けることになるだろう。でもやらなくてはいけない”…。

だから怖いよなぁ。世の中の風潮とかよ。まぁ、世論形成、そういう勢いにもって行く…。だって、勝っている時には拍手、拍手なんだから、日本国民。“ゆけ、ゆけ~”なんだから。それがどんどん負け出して来てさ、“これはどうしようもならないなぁ”って言って真珠湾に攻撃だからなぁ。
だからそのへんのところをね、なぜ、まぁ、死んだ自分の父さんもそうだけどさ、兵隊に行くことになるんだけど。なぜみんな我が国、日本のためにね、命まで犠牲にしながらね、戦うことになったのか…。そこをもっともっとね、やってくれなければ、なんかいつでも被害者だなぁ、被害者だなぁ、って言うね、そういう感じが残ってしまうんで。加害者である時期もあったんだ、っていうことろをマスメディアはしっかりと伝えてもらいたいなと、思います。
松山千春―「淡い雪」(2017年)