セットリストや公演内容に関する記載があります
鈴木雅之が現在展開中の全国ツアー
「masayuki suzuki taste of martini tour 2022~DISCOVER JAPAN DX~」
東京公演初日、6月3日に中野サンプラザホールに参加した。鈴木雅之のライブは彼がソロになってから2回目。
客席使用率100%で満席、数曲短くアレンジし直したものがあったが2時間15分、全20曲、見事な素晴らしいライブだった。
席は2階のセンター前方。音響の良さはもちろん、照明などの演出もトータル的に観られるベストな場所。
CDは聴いて来ているし、配信される公式ライブ映像や衛星放送で放映されたライブは押さえて来た。当然ながらそれらで聴くのと、ライブで聴くのとではわけが違うが、その前提をはるかに上回るもの凄い歌唱力。
声のパワーとキレ、伸びは大したもの。寄り添う、届ける…それ以上に歌(声)がぶつかって来る、タックルして来るようなイメージ。聴いている側が、音程を外さないかなど不安や心配に思うようなことは、聴いている限りでは一か所もなかった。
三橋美智也さん譲りの小節(鈴木雅之本人談)も効かせまくっていた。とても現在65歳、今年9月で66歳とは思えない。
このままずっと聴いていたい…そんな心地よさがあった。
6曲目「道化師のソネット」(さだまさしのカバー)を歌い終わったところで語っていた。
「最初にアルバム『DISCOVER JAPAN』を出したのは東日本大震災の後でした。被災地とそこで戦う人々を見て、もう一度日本の良さ、日本にあるいい歌をディスカバーして届けたいと思いました。その後2枚め、3枚めを出して来ましたが、いずれも広島県土砂災害や熊本大地震の後でした。
35年という時が流れました。この間、俺も父を亡くし、母を亡くしました。みなさんもいろいろあったと思います。大切な人との悲しい別れもあったかもしれません。そういう時にみなさんに寄り添える歌を届ける自分でありたいと思っています」
8曲目「愛しき君へ」(森山直太朗のカバー)の後のトークでは
「今年ソロデビューして35周年です。ソロになる時、バラードを丁寧に人々の心に届けられるようなヴォーカリストでありたい、そして、いろんな作品を、誰の歌でもあっても”自分色”に染め上げられるように歌って、自分の世界を作り上げたい、この二つを目標に掲げてやって来ました。
応援し続けてくれたみなさんに心から感謝します。またソロになるにあたって、いつもいろいろ語り合った同じレーベル仲間の大沢誉志幸、そしてソロとしての道を示してくれた山下達郎さん、ラブソングの何たるかを教えてくれた小田和正さんにも感謝を捧げたいと思います」
と語った。
本編ラストの16曲目「メロディー」(玉置浩二のカバー)の前にはこう語っていた。
「辛い時、悲しい時、苦しい時、言葉じゃなくて寄り添ってあげられるもの、メロディーを届け続けていきたい」
ラストの20曲目「明日への手紙」(手嶌葵のカバー)を歌う前に語った。
「もう60を超えました。でも目標を持ってまた挑戦していきたいと思います。今日(6月3日)、「THE FIRST TAKE」で、すうと一緒に歌ったアニメ「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」のオープニングテーマ「GIRI GIRI」を22時に配信します。アニソンの世界にも出て、何期も連続で主題歌を担当させてもらっています。”アニソン界の永遠の大型新人”としてますます頑張っていきます。自分で自分の世界を決めるんじゃなくて、目標を持って生きる。目標を持って新しいものに挑戦していく、そんな鈴木雅之でありたいと思っています。
みなさんも目標を持って、”年に一回、Martinのライブに行く”というのも充分な目標じゃないでしょうか(笑)。目標を持って頑張ってください」
ヴォーカリストとして脂が乗り切っていて、ぜひともまた行きたい、その場でずっと聴いていたい、そう思えたライブだった。
※鈴木雅之のトーク内容はあくまで要旨。
Masayuki Suzuki feat. Suu - GIRI GIRI / THE FIRST TAKE
鈴木雅之『メロディー (Remix'22)』Lyric Video