さて、5月12日(木)、松山千春「コンサート・ツアー2022春」の東京公演初日、東京国際フォーラムに参加した。

 

国際フォーラムに行く前のルーティンと言うか、流れで、いつものように御茶ノ水の老舗楽器店を回った。目当ては「MORRIS トルネード GCX 松山千春モデル」、1983年製造(以下リンク記事に詳細)。

 

もともとタマ数が少ないうえ、松山千春マニアかギターコレクターが持っていると言われているためそうそう手放さず、USED市場にはほとんど出回らない。

 

 

まずは一番手前のクロサワ楽器。アルフィーファンの聖店と言われいてるらしい(店員さんが言っていた)店。去年来た時にはTSK(テリー中本氏と坂崎幸之助さんコラボブランド)が2本も置いてあった(あの後売れたとのこと)。

 

 

アコースティックギターは2階。階段を上がり、若い店員さんと目が合った瞬間、店員さんが「あ~!!!」と叫んだ。「ちー様(松山千春)ファンのお客さんですね!去年も来てくださった…!」「そうですよ」…ということで、20代の若さなのに、それが別に悪いわけではないが、極めて珍しい…堀内孝雄(ベーヤン)の大ファンの彼。堀内孝雄ファン仲間では有名人というあの彼とのダイアログ(対談)が始まった。

 

店員:「あ~!!!ちー様ファンのお客さんですね!去年も来てくださった…!」

虹野:「そうですよ」(あなたにちー様と言われても困るけどなぁ…(笑))

店員:「ですよね!ご来店ありがとうございます!今日は何かお探しですか?」

虹野:「あれですよね、アリス。またツアー始めますよね。当時のアリスは10年足らずで解散しましたから、それ以上に頑張るって谷村新司が言ってましたね」

店員:「そうなんですよ!よくご存知で。も~う、嬉しくて。また生のベーヤンが見られるのが。でお客さんが来て下さると、ベーヤンとモーリスギター(堀内孝雄愛用ブランド)のお話しができるので、嬉しいですね!実はですね、ついこの間も、1970年代終わりにベーヤンが使っていたモーリスのギター、探し当てて買っちゃったんですよ。これです(彼のスマホを見せる)」

虹野:(私は堀内孝雄のファンではないし、そのギターには興味ないけど…)「いいですね~。ところで、いつものようにモーリスのGCX松山千春モデル」

店員:「ああ、あれですね。あれは入りませんねぇ。ほとんどマニアの方、固定になっていますね」

虹野:「そうなんですよね。もうほぼ40年探し続けてますが、出ませんね」

店員:「それはそうと、あのモデルのもうひとつの機種があるのご存知ですか?」

虹野:「え?あるんですか?」

店員:「あるんですよ。83年に出されたモデルはトルネードシリーズなので、サイドとバックがグラファイトで丸いタイプですよね(以下:当時定価10万円)。ところが、そうじゃない、木を使った普通のギターのようなサイド・バックのモデルがあるんですよ」

 

 

虹野:「ほんとですか?!これまで聞いたことなかったですけどね」

店員:「あるんですよ。数年前、千葉の中古品店にありました。ところがですね、ボディトップがパックリ割れていたんですよ。それでも40万円弱していました」

虹野:「いやぁ~、あるんだったら見たかった」

店員:「じゃ、一緒に探しましょう」(彼がスマホを出し始め、二人で探し始める)「あっ、これです、これ。見てください。サイド・バックがノーマルなんですよ!ペグもかなり高級仕様なんですよ」(以下)

 

 

虹野:「ほんとだ…。ネックのインレイもGCXとは違いますね。まさにこのタイプが、1982年に松山千春が真駒内で使っていたギターと同じボディですよ。すごいなぁ。サイド・バックの材は分からないですよね?インディアン・ローズウッドとかかな?」

店員:「ですよね。材は分かりませんが、なんか当時10本ほど作られたそうですよ」

 

 

虹野:「じゃ、それが出回ることはまずないですね。その千葉にあったやつも、ボディにクラックが入っているんじゃ、ネックも、ヘッドも心配ですね。40万で買って、修理に20万とかね」

店員:「はい。そうなんですよ。ケースの中に入っていたので、詳しく見られなかったんですけど」

虹野:「いやぁ~、いい情報をもらいました。これからまた松山千春のコンサート、東京国際フォーラムなんですよ」

店員:「え!去年も確かそう仰ってましたよね」

虹野:「はい。ちょっと店員さん、そのゴダンのギター、松山千春もゴダンのギター使っているんですけど。そのギター持ってもらって写真撮っていいですか?あとSNSにアップしてもいいですか?」

 

 

店員:「もちろんです!こんな感じでいいでしょうか?ちー様ファンのみなさまに宜しくお伝えください」

虹野:「はい。可能だったらね」

店員:「ぜひまた来てください。お客さんに会えると嬉しいです」

虹野:「はい。次は秋のコンサート前かな?」

 

…どうやら、彼が話す堀内孝雄トークを、うなずいて笑顔で聞いている私のことを、いい聞き役だと思っているかもしれない(笑)。まぁ、人がいい彼で、いきいきと仕事しているので、さわやかでいいね。また話したくなる。

 

しかし楽器店店員ながら、他のブランドは眼中になく、堀内孝雄とモーリスのギターしか売ってないんじゃないのかな?(笑)…どうでもいいことを考えながら、国際フォーラムに向かった。

 

それにしても、もう一本のモーリス松山千春モデルギター、あっちを欲しくなってきた。