<2022.6.26再掲>

 

吉田拓郎ラストアルバム『ah-面白かった』2022年6月29日発売

 

 

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<2022.4.12記事>

 

 

4月8日放送の「吉田拓郎オールナイトニッポンGOLD」

 

吉田拓郎のラストニューアルバムについて詳細を語ると言うので、きっと小田和正とのコラボ曲のことも語るだろうと思って、聴いた。

 

小田和正とのコラボ曲「雪さよなら」については以下のリンク(バナー)に詳細を記載した。

 

 

その「雪さよなら」をかける前、番組の中盤で約6分間を使って吉田拓郎が引退する理由を、本質的なところはこれまでの理由と変わらないにしても、違う視点から、語っていた。またその後の自身の人生のあり方と方向性について、おそらく敢えてそうしたと思うが、抽象的に語っていた。

 

その語り全文を2回に分けて掲載する(2回目/止)。(1)はその下にリンク。

 

僕はね、もうそういうところには今いないんです。僕なんかね時間があんまりないんですよ、正直言うけど。僕にはね。だからね、そういう場所にずっといたくないの。いられない。「ツアーをやめるな」とか「ライブ、もう一個やろうよ」とか、そういうことを簡単に言うけど、それは「ない」っていうふうに僕は思ってるわけ。僕はね、僕だけの、僕が分かってる、僕だけの未来っていうのを自分の中で夢として作って、それに向かっているんです。だから今でもいいから僕は半歩でもいいから、先に進もうという気持ちを持ってるんです。

それがたとえばフォークソングとか70年代とか、これは確かに素晴らしい時代だったんですよ。これは体験したことのない人には分かりませんよ。僕はその真っただ中にいたんだから。もちろん“帰れ!”とかいろんなこともあったし、いろんな事件にも巻き込まれたけども、やっぱりフォークとか70年代とかいうのは素晴らしい時代だったと思うし、そこからいい歌がたくさん生まれましたよ。僕だけじゃない、いろんな人がたくさんいい歌作りました。

それも、でもやっぱり単なる通過点なんですよ。人生って1回なんですよ、人間は。1回だけですよ。それは素晴らしいあの70代の青春でした。そのことは大いに僕も認めます。僕だって誇らしい青春がいっぱいあります。70年代とか、認めてます。あそこがなかったら今がありません。あれを体験したからこそ、今がある。それぐらいそのことを僕は誇らしく思います。

それでも、誇らしく思うけど、それでもやっぱり“それは、それ。それは、それ”ってしないと。それを2022年の今に引きずっててどうするんだ?っていうことなんです。僕は。僕は、ですよ、これは。僕の話しです。

もう1回言いますと、人生は1回だけなんだ。もっと柔軟に、もっと柔らかく、その時々の風の具合を読みながら見ながら、風に吹かれたりしながら、その時々の空気とか風を感じながら、やっぱり、ちょっと明るい、ちょっと楽しい明日っていうのを見るために今日一日を過ごす、頑張るっていう生き方をしようと、それが今の僕なんだと思ってるんです。

だからね、繰り返しになりますが、そんなにたくさん時間が残ってると思っていないんです。実感として、残り時間はあんまり多くねぇな、僕は、…思います。でもそういう中でこそ、中だからこそ、縛られたまんまでな~んにも変わらないでいい、っていう生き方は…、それはみなさんの勝手だし、僕の勝手で、誰も文句は言いませんが、僕は(そういう生き方は)やりたくない。僕は“お先に失礼”で半歩前へ進んでいるという今、最中です。

 

 

 

(「引退」に関する過去の吉田拓郎のラジオでの発言)