超ハードな仕事の連続とパワハラ、理不尽なリストラなどが重なり、重篤なうつ病を患っている大学時代の同期がいる。家族がありながら現在も無職、週に4回、一日勤務は体力的に無理なので午前中だけアルバイトをして生計を立てている。奥さんもパートに出ているが、二人のお子さんの学費などもあり、実態的には毎月貯金を取り崩して生活している。

 

ここ何年も1か月に1回ほどずっと連絡を取り続け、状況を聞いてきた。

 

数日前、いつものようにメールしたら、2日経って今の状況とその心境を長文で綴った返信が届いた。その最後に「苦しい、苦しい、苦しい」と書かれていた。

 

これまでよりも病状が悪化したのだろうか、気になって仕方なかったので、23日、朝一番で自宅を出て、路線図で見れば東京からかなり奥に入った千葉県のとある駅まで行き、駅前のファミレスで3時間、彼の話を聞いた。彼から質問されることに答える以外はこちらは一切話さない。ひたすら聞き続けた。

 

 

直接会うのは何年ぶりか?食欲がある時もあるが、その時さえ食事もできない。体重は5年前と比べて20キロ痩せた。夜は薬がないと眠れない。でも眠っている時だけが唯一安心できる時間。

 

起きている時は常に現状を嘆き、将来を不安がり、思考がネガティブにぐるぐる無限に回ってしまう。「俺だけこんな生活だ…。俺だけ取り残された…。これから家族はどうなるんだ…」

 

彼と同じ状況になったことがないので、その気持ち、よく分かると言えばウソが残るけど、よく分かる。だからこそ彼に届ける言葉がない。人生100年時代、まだまだ50代半ば。まだまだ人生の途中だ、そうは思ってもそれを言葉にして伝えられる状況ではない。同じことをひたすら繰り返す彼の話をひたすら聞く。

 

私の感覚としては、仕事はなんとかなる。あらゆる世代の卒業生のネットワークを使って、さらには千葉に住む私の知人を介しても見つけることはできるはず。だけど、例えばそれで仕事が見つかっても、一日、三日、一週間、一か月…働く体力がなければ何をやってもすぐにゼロに戻ってしまう。

 

「あえてこういう言い方をするけど、もうここまで来たら、さらに腹をくくって1年、2年単位で、とにかくまずは健康と体力の回復を何とか70~80%ぐらいまでに、一日働けるぐらいまでもっていきたいな」…それだけ伝えた。

 

帰り際、私が見えなくなるまで改札の向こうで見送ってくれた。

 

何も言うことはできない。これからも、とにかくまずは彼の健康回復と、そして再就職の決定を、家庭の中にまた笑顔が戻るよう、祈るしかない。

 

 

 

 

ASKA - けれど空は青 (Official Music Video)

 

「ロケットの樹の下で」

(ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA

-40年のありったけ- in 日本武道館)