2020年6月に逝去された作・編曲家服部克久氏を追悼するメモリアルコンサート『Concert for Katsuhisa Hattori サウンドメーカー服部克久の世界』が、11月16・17日東京・新国立劇場で開催され、とくに17日には15人(組)の歌手、ミュージシャンが出演した。

 

その2日目の模様が12月17日、BS-TBSで放送された。

 

 

いいコンサートだった。改めて、偉大な音楽家・服部克久氏の足跡と、氏が生み出してきた世界の幅広さと奥深さを実感した。また多くの音楽関係者などと親交を重ね、亡き今も慕われている氏の人格を見る思いだった。

 

出演した歌手、ミュージシャンもそれぞれが本人と楽曲が持っている世界を見事な歌唱力で表現していた。

 

以下にオンエアされた順に歌手と歌われた曲名を記載した。書くまでもなく、すべて服部克久氏が編曲や作曲した楽曲。

 

冒頭にさだまさしの追悼の言葉も入れた。服部家と家族付き合いをしているさだまさしの哀しみはまた深いだろう。服部克久氏の笑顔が浮かぶような言葉はさだまさしらしい。

 

その後「黄昏迄」を歌った。歌の最後のシーン、服部克久氏の笑顔の写真の下に、指揮の服部隆之氏(服部克久氏の子息)と笑顔のさだまさしが並ぶアングルは、氏ご一家とさだまさしの親交のを象徴しているようだった。

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(「黄昏迄」を歌うさだまさし)

 

(服部克久氏を偲び語るさだまさし)

 

先生にねぇ、お世話になったねぇ~。僕は曲作りが遅くて、先生がアレンジするのに曲がなくて、あの~代田のお宅とか、それから箱根の別荘によく缶詰にされてね、歌作りました。

そこで服部良一先生にお目にかかって一緒にお食事をしたり、服部家四代にわたって僕はお付き合いさせていただいて、幸せだなぁとつくづく思います。僕も前、言われて来たものだから、ある時先生に「先生、“さだまさしの歌なんて綺麗綺麗でさぁ”って言われてるんだよね」って言ったら、先生が真顔になって「綺麗じゃない音楽なんて要りません」と仰ったんですね。先生の音楽は綺麗だったからね。

本当に偉大な偉大な兄貴であり、それから尊敬する音楽家であり、何て言うのかなぁ、気安い先輩でもありました。先生はね、「さよなら」って言わない人だったね。こう顎ちょっと上げてね(手を振る仕草)、「まさし、またね」って言ったね。ああ…やっぱり信じられない…気持ちかな。

今日は「黄昏迄」っていう歌を聴いていただこうと思うんですが、「さよなら」は言わずにおきます。まだまだ僕は頑張っていきますから、私たちも、もちろん隆之の背中を押してあげていただきたいと思います。先生「またね」

 

 

(服部隆之氏とさだまさし)

 

(服部克久氏とさだまさし/2017年10月2日/さだまさしInstagram)

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1.谷村新司  「昴」

2.五木ひろし 「待っている女~Las VegasVer.~」

3.松山千春  「電話」

4.森山良子  「この広い野原いっぱい」

5.八代亜紀  「花(ブーケ)束」

6.マリーン   「想い出のビギン」

7.サーカス&2VOICE  「夜明けのマンハッタン’90」

8.岩崎宏美  「卒業写真」(ハイ・ファイ・セット)

9.鈴木雅之  「哀のマリアージュ」

10.東山紀之 「君にこの歌を」(フォーリーブス)

11.屋比久知奈と杉並児童合唱団  「誰よりも遠くへ」

12.佐藤竹善 「サニー・サンデイ・モーニング‘09」

13.中尾ミエ  「ただそれだけ」

14.大橋純子 「過去りし夏 ~Try Again~」

15.さだまさし 「黄昏迄」

16.音楽畑スぺシャルオーケストラ/指揮:服部隆之

   「ザ・ベストテンのテーマ」

17.音楽畑スぺシャルオーケストラ/指揮:服部隆之

   「卒業」

18.音楽畑スぺシャルオーケストラ/指揮:服部隆之

   「自由の大地」

19.音楽畑スぺシャルオーケストラ/ピアノ:服部隆之/バイオリン:服部百音

   「ル・ローヌ(河)~3 Generation Version~」

 

 

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