<2021.9.28記事>
9月26日放送の「松山千春のON THE RADIO」で、松山千春の実弟である明人さんの逝去(享年六十一)を伝えた。僭越ながら、ラジオで気丈に語っていた松山千春は立派だと思ったし、家族で一人残された松山千春の寂しさを思った。
個人的にも本当に驚き、ショックだった。もちろん明人さんにお会いしたことはないが、松山千春を通して幾度となく聞いてきた。改めて、心よりご冥福をお祈りいたします。
去年の12月13日放送の同番組で、松山千春が家族と過ごしたクリスマスの思い出を語っていた。その中で明人さんのことにも触れていたが、今となっては、おそらくこの時既にがんを患われていたのだろう。
追悼の意味で改めてその語りを以下に掲載した。
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<2020.12.14記事>
昨夜(12月13日)の「松山千春のON THE RADIO」
弾き語りで自身の「メリー・クリスマス」を歌った後、子どもの頃のクリスマスのことや家族との思い出、家族の現在を語っていた。弟さんのことを心配している様子だった。
いつも思うことだけど、家族のこと、竹田さんのこと、友だちのこと、ふるさとのことを語る松山千春は温かい。
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クリスマスイブ、クリスマス、みなさん、どのように毎年過ごしてきましたか?
うちは北海道は足寄郡足寄町。親父は印刷やってましたからずっと家にいましたし、姉ちゃん、弟。母さんはうちが貧乏だから土木作業員としてあっちこっち飛び回り、ただ、この時期になりますと、今はどうなっているか分かりませんが、失業保険っていうのをもらって、また春先から土木作業員に帰っていく。この失業保険をもらって、花札。北海道ではとっぱって言いますけど。
この花札ツアーに出かけている母さんでさえ、クリスマスイブには帰ってきて、ケーキ、一年に1回。(俺の)誕生日は12月16日なんだけど「お前、それクリスマスと一緒にしなさい。ややこしいから」(と母さんが言う)。ややこしいことはないと思うんだけどなぁ(笑)、俺とクリスマスは。
どだいうちは浄土真宗だろう。なぁ、まぁ一緒にするというのもなんだと思うんだけどなぁ、と思いながらね、そんな母さんでも、家族5人でね、ぼろい家の中でケーキを囲んでな、「母さんどうだ?花札、うまく勝ってるか?」とかね。「千春、母さん今度の旅で勝ったら、新しいジャージ買ってやるからね」とかな。「母さん、ジャージとかそういう問題じゃないぞ。父さん、苦労して俺たち一生懸命育ててるんだからさぁ、母さんも母親としてさ、何とか頼むぞ」とか言いながらな。
家族団らん、唯一5人の家族だったんだからなぁ。まあ親父が亡くなり、姉ちゃんが、まさかと思ったけど死んじゃって、母さんはもう認知症でまったく訳の分からない状況になって。もちろん、俺が行こうが何しようがまったく分からないし。
弟は東京で、やつこそ定年。これからやつはどうするのかなってつくづく思いますよ。弟、明人って言うんですけどね、明人が今度61になるのか?かみさんが一回り上ですから、73ですよ。なぁ。61のこれは血の繋がった弟。73の血の繋がりはない妹。お前、俺65だぞ。73の、なぁ、これは弟の女房でなければあり得ないと思うんだけど、俺のことを「お兄さん、お兄さん」って呼ぶんだ。間違ってないんだ、確かに。弟の嫁だから俺が兄であることは間違いないんだけど、何せ73ですよ。ドキッとすることはままありますけどねぇ。
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