今夜(2月21日)の「松山千春のON THE RADIO」

恒例の1曲弾き語りコーナーは「途上」。1990年11月10日リリースのアルバム『男達の唄』収録。


弾き語り前のトークの後ろから聞こえていたギターを爪弾く音はマイナーコードで、Amぽかった。その中でご両親のことを語り始めたので、これは「あなたが僕を捜す時」かな?と大きな期待をかけ身構えて待った。結果的に「途上」だったが、弾き語り前のトークと「途上」、よかった。

 

コンサートでも時折ある松山千春らしいシーンで、聴いていて心が満たされ、温かな気持ちになった。亡くなった私の両親の顔も蘇り、心に沁みるトークと歌だった。

 

今夜もギターを一緒に合わせた。原曲のキーどおり、ギターはカポ無しのAm。本人が「ギターを練習しないとな」と以前言っていたが、間奏と後奏に細かい音を入れ練習の跡が見られた。


弾き語り前後のトークは以下。
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さて、私の近況と言うのはね、ほんとにやることがなく、1週間に1回、この「ON THE RADIO」だなぁ。あとは、え~、家でギター弾きながら、春にコンサートができればいいなぁと思いながらね、そしてまたこの番組で弾き語りをやるからなぁ。今日はちょっとフォークシンガーらしいと言うかなぁ。

ちがうんだよ、1月16か?うちの母さん死んだべや。その時は、通夜葬式で忙しくて、冷たくなった母さん見て、「ご苦労さん。母さんいなかったら今の俺ないからなぁ」。

 

これで俺は父さん、母さんを見送ったべ。ラジオ聴いている方の中でもそういう方いらっしゃると思いますけど。虚無感と言うか、要はもう会えないんだよ。認知症であれ何であれ、いてくれたらなんか心は落ち着いてたんだよ。ところがお前、“ああ、もう父さん、母さん、会うことがないんだ。と言うことは、あの頃迎えた、あんな日はもうやって来ないんだ”…。

 

みんな長生きして欲しいな。生きて生きて、どだい俺たちは生まれた時からな、いつかは死ぬって分かってんだから。

「途上」(弾き語り)

 



というわけで、今回の弾き語りは「途上」という曲を聴いていただきました。まぁ、どっちかと言ったら暗い歌になりますけどね。これが1990年、31年前か。まぁ、自分もまだ35ぐらいでな。その頃はまだ父さんも母さんも姉ちゃんも弟もみんないたからな。一番あれかな、我が家がみんな体が動いてな、元気だった頃かなぁ。そんな時にこんな「途上」みたいなね、曲を作っていたんだなぁと思ってな。今振り返ればねぇ、この歳になってこういう歌を歌うんなら分かるけどねぇ、30幾つでこういう歌を歌ってたんだからなぁ。

まぁ、とくに今はどのジャンルの音楽を聴いてもビートの激しい、踊れるような曲ばっかり、っていう状態だからなぁ。そんな中でやっぱりフォークシンガーとしてね、ギター一本で、みんなに聴いていただけるような歌をね、これからも歌っていくとは思いますが。

 

(「途上」を歌う松山千春 1999年)