去年12月2日にリリースされた中島みゆきのセレクトアルバム『ここにいるよ』

今月頭に購入して毎日聴いている。

 

1月22日に松山千春のライブセレクトアルバム『弾き語りライブ』を購入したので、この2枚を交互に聴いている。

 

中島みゆきの『ここにいるよ』の作品紹介(抜粋)

 

『多くの人々の心に寄り添い、エールを送り続けた中島みゆきの名曲、代表曲を集めた究極のセレクトアルバム!

この作品のテーマとなる「エール」には大きく2つの形がある。 1つは、背中を押し、「生きる勇気を鼓舞するエール」。 もう1つは、一緒に悲しみ、一緒に悩み、一緒に前を向く「心に寄り添うエール」。この2つのエールをそのまま「エール盤」「寄り添い盤」と題した2枚のCDに分けて収録』

 

その2つのコンセプトに沿って、それぞれの盤には、強く大きく優しくエールを送る楽曲達、時にしっかりと、時に空気のように包み込み寄り添う楽曲達、いずれも素晴らしい26曲が並ぶ。

 

少なくともそれぞれの盤を10回以上聴いてきて、それぞれの盤にこれこそが「核」だと感じる曲が1曲ずつある。他の曲よりも際立って光って聴こえてくる、このアルバムの画竜点睛のような2曲。

 

「エール盤」では「ひまわり“SUNWARD”」、「寄り添い盤」では「タクシードライバー」。意図はないと思うが2曲とも、6曲目に位置している。

 

「ひまわり“SUNWARD”」(歌詞全編は以下)では、どこにいようと、どんな状況に置かれても、どんな評価をされようと、自分らしく咲け、香り続けろと。あのひまわりに聞いてみろ!と強烈なエールと受け止めた。

 

たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう

 

あのひまわりに訊きにゆけ
どこにでも降り注ぎうるものはないかと
だれにでも降り注ぐ愛はないかと

 

「タクシードライバー」(同)では、客に何かあったことを察し、心境を分かったうえで、それが分かるからこそ、安っぽい励ましの言葉などは送らない。あえて天気予報と野球の話しばかりを何度も繰り返すドライバー。”寄り添い”のひとつのかたちがある。

 

タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す

 

それぞれの楽曲だけでも中島みゆきは”力のある歌”を作ると思うし、このアルバムに収められている曲達全てがそうだと思うが、”エール”と”寄り添い”という明確なコンセプトがあるからこそ、とくにこの2曲、一層光っているように思う。

 

 

「ひまわり“SUNWARD”」


あの遠くはりめぐらせた

妙な柵のそこかしこから
今日も銃声は鳴り響く 夜明け前から

目を覚まされた鳥たちが

燃え立つように舞い上がる

その音に驚かされて 赤ん坊が泣く

たとえ どんな名前で呼ばれるときも

花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも

花は香り続けるだろう

私の中の父の血と 私の中の母の血と

どちらか選ばせるように 柵は伸びてゆく

たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう

あの ひまわりに訊きにゆけ

あのひまわりに訊きにゆけ
どこにでも降り注ぎうるものはないかと

だれにでも降り注ぐ愛はないかと

たとえ どんな名前で呼ばれるときも

花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも

花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう

 

 

「タクシードライバー」

 

やけっぱち騒ぎは のどがかれるよね
心の中では どしゃ降りみたい
眠っても眠っても 消えない面影は
ハードロックの波の中に 捨てたかったのにね

笑っているけど みんな本当に幸せで
笑いながら 町の中歩いてゆくんだろうかね
忘れてしまいたい望みを かくすために
バカ騒ぎするのは 
あたしだけなんだろうかね

タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と

野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す

酔っぱらいを乗せるのは 誰だって嫌だよね
こんなふうに道の真ン中で泣いてるのも

迷惑だよね
だけどあたしは もう行くところがない
何をしても 叱ってくれる人も もう いない

タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す


車のガラスに額を押しつけて
胸まで酔ってるふりをしてみても
忘れたつもりの あの歌が口をつく
あいつも あたしも 好きだった

アローン・アゲイン

ゆき先なんて どこにもないわ
ひと晩じゅう 町の中 走りまわっておくれよ
ばかやろうと あいつをけなす声が途切れて
眠ったら そこいらに捨てていっていいよ

タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す


タクシー・ドライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す