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2020.12.19記事

 


 
『旅立ち~足寄より~』

 

 

 

 解説  (映画.com)
フォークシンガー松山千春が23歳の時に書き下ろした自伝小説「足寄より」を映画化。「リアル鬼ごっこ」「泣きたいときのクスリ」の大東俊介が若き日の松山を演じている。共演に萩原聖人、石黒賢、泉谷しげる、尾野真千子ほか。北海道の足寄から出てきた破天荒なシンガー松山と、松山のデビューに人生を賭けたラジオディレクターの竹田の世代を超えた男同士の深い絆を描く。


2008年製作/2009年1月24日公開/112分/日本
配給:エム・エフボックス

 

 スタッフ・キャスト 

監督:今井和久/原作:松山千春/脚本:鴨義信

キャスト:大東駿介/萩原聖人/泉谷しげる/尾野真千子/ペ・ジョンミョン ほか

 

『旅立ち~足寄より~』(予告編:公式)

 

 

 

 

DVDリリース(2009年7月17日)以来と言っていいほど、本当に久しぶりに、映画「旅立ち~足寄より~」を全編観た。松山千春の自伝「足寄より」を原作として制作された作品。

 

十年近く観ていなかったこともあり、全体の構成(流れ)やそれぞれのシーンを忘れているところが多々ある。何か初めて観たような気分で感動した。よく出来ている。

 

挿入されているシーンは違うが、原作の「足寄より」の中で、これは外せないという場面もしっかり入っている。

 

たとえば―

 

原作では、小学4年の松山千春が友だちから”あの川で金になる十勝石が取れる”と騙されているのも知らず、家計を助けるために一生懸命川に入って探す。友達はその松山千春を嘲笑いながら逃げて行った。

 

「あんときほどくやしかったことはない。(中略)あの屈辱は俺の人生のポイントだ。これが貧乏なんだよ」(「足寄より」50㌻)

 

このシーン、映画では足寄に松山千春を訪ねた竹田さんを案内する場面で、松山千春の回想として再現されている。

 

 

松山千春が中学校の修学旅行に出る時、お父様が握ってくれたおにぎりを持たせてくれた。新聞紙に包まれたでっかいおにぎり三個。それを釧路本線、富良野手前あたりで食べた。友達の弁当はいろとりどりの豪華な中身。

 

松山千春は恥ずかしかったが、お父様の真心が嬉しくて、ひとり窓の外を見ながら、泣きながら食べたシーン(同74㌻)。この思い出を「俺の宝だ」(同㌻)と書いている。

 

このシーンはデビュー直前、足寄から札幌に出ていく時に電車の中で食べる場面として挿入されている。

 

 

1982年、真駒内5万人ライブでの”人生はゲームなんだ”というあの語りは、デビュー前のSTVラジオ「千春のひとりうた」の中のトークとして忠実に再現されている。

 

急性心不全で急逝された竹田さんが、その前に心臓の痛みを覚えるシーンが二度入っている。映画だからこそ挿入できたシーン。

 

こういった入れ替えているシーンなどはあるが、基本的には原作に忠実に脚本が作られ、それぞれのシーンに見事に表現されている。

 

松山千春を押し上げたい竹田さんの熱意と、若き松山千春の思いが全編にわたりほとばしり出ている。

 

大きく言えば、竹田さんと松山千春の二人三脚、「師弟」の物語を感動的に描いている。

 

 

 

最後、松山千春が竹田さんのお墓参りに行き、その時の松山千春の決意が流れる。今も変わらず松山千春が言い続けていることである。

 

「俺が竹田さんのためにできることは、俺がでかくなることなんだ。そうなれば竹田さんの名前はもっとでかくなる。”こいつを育てたのがあの人か”って。だから俺は誓ったんだ。『俺が歌っている限り、あなたの名前を皆が覚えていてくれるように、俺はどんなことがあっても、ずっと歌い続けていく』」

 

足寄の街並みと松山千春の主題歌「我家」が流れるエンドロールは、背筋がぞくぞくするほど感動した。

 

 

松山千春―「我家」(作品主題歌)

 

松山千春-「旅立ち」
(1982年7月札幌真駒内屋外競技場)