浜田省吾の「夢のつづき」が聴きたくて、久しぶりに引っ張り出して聴いているアルバム『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』(2015年4月29日リリース)。

 

Journey of a Songwriter~ 旅するソングライター OFFICIAL INTERVIEW

 

リリース当時聴いた以上に新鮮で、アルバム全体としての素晴らしさを実感している。

 

もとより、継続して聴いてきてはいるが、浜田省吾さんについて、松山千春や長渕剛のレベルで語れるほど、浜田省吾さん自身の歴史や、考え方、思いの変遷を知るものではないし、あるアルバム一枚についてこれまでの作品からの流れと、上記のそれらを踏まえて語れるわけはないと自覚している。

 

しかし、ライターの古矢徹さんが言うように、このアルバムについては「漠然と描いていた浜田省吾楽曲のよき再生産的なものへの期待ともまるで異なる、新しい歌の世界に驚く」(上記オフィシャル・インタビュー)。

 

また、私自身も、夢野旅人さんが書いているとおり、『「光の糸」、「アジアの風 青空 祈り」、「誓い」の3曲と、置き場所。このアルバムの全てのような気がする』(以下リブログ)。

 

アルバムをリピートして聴いていると、「アジアの風 青空 祈り」「誓い」「光の糸」という続き順になり、3曲のテーマが一致して、力強いメッセージとして聴こえてくる。

 

 

以下、上記オフィシャル・インタビューから抜粋。

 

どんな言葉より、「光の糸」の音と映像と、つまり浜田省吾の新しい曲そのものが、ニューアルバム『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』の素晴らしさを物語っている(古矢徹)

 

アルバムは、絶妙のタイミングで2曲目に入る。(中略)「旅するソングライター」だった。
(中略)じつは歌詞カードがなくても、歌の言葉がしっかり耳に、いや頭や心に届くのが浜田省吾の歌なのだ。一度でもコンサートに来たことがある人は、きっとわかっているだろう。それが浜田省吾の歌の際立った点だ(同上)。

 

(10曲目「夢のつづき」について)

「サウンドとしては、ツーフィンガーといわれているギターがメイン。フォークソングをやっていた人は、みんなこの弾き方を練習したよね。ボブ・ディランやサイモン&ガーファンクル、PPMとか。でも、俺としてはもう少しポップ寄りの、ジム・クロウチというシンガーの作品イメージがあった。若くして亡くなられたんだけど、名曲をたくさん残してくれていて、なかでもいちばん好きなのが“いつもきみのことを想っていると言おうとするのに、なぜか違う言葉が出てきてしまうんだ、だからラブソングの中で愛してるって言わなきゃいけないんだ”という『I’ll have to Say I Love You in a Song』。この曲の歌詞と音楽の世界観がすごく好きで、自分がラブソングを書くときの気持ちと同じだなって共感します」(浜田省吾)

 

(14曲目「アジアの風 青空 祈り」について)

浜田省吾のこうした“硬質な祈り”いや“叫び”の歌の特徴は、そこに皮肉や揶揄、諧謔といったものがほとんど加えられておらず、比喩的、詩的な表現を随所にはさみつつも、非常にストレートであるという点ではないだろうか(古矢徹)。

「国家や民族に分断されている人々のこと、そしてかつてそうだったような、無能なリーダー達が導く悲劇を歌った、これは説明の必要のない歌じゃないかな」(浜田省吾)

 

(15曲目「誓い」について)

「病気と“闘った友”もいるし、自然災害や事故と闘って亡くなった人もたくさんいて、その“友”を悼む気持ちです。そして、いずれ自分も友に見送られる立場になる。そんな気持ちが“友よ”になっているんでしょう」(浜田省吾)

 

「当初『誓い』のあとにも、『アジアの風 青空 祈り』の前と同じように波のSEを入れていたんですが、1曲目の『光の糸』につながっていくように、なおかつ余韻が残るように簡潔に終わらせました」(同上)

 

(収録曲)
01. 光の糸
02. 旅するソングライター
03. きっと明日
04. マグノリアの小径
05. 美しい一夜
06. サンシャイン・クリスマスソング
07. 五月の絵画
08. 瓶につめたラブレター
09. ハッピー・バースデイソング
10. 夢のつづき
11. 夜はこれから
12. 恋する気分
13. 永遠のワルツ
14. アジアの風 青空 祈り
    part-1 風
    part-2 青空
    part-3 祈り
15. 誓い

_________