<2023.5.7記事>

 

日本では新型コロナウイルス感染症の位置づけが、2023年5月8日から「5類感染症」となる。これまで「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていたところ、通常の季節性インフルエンザなどと同類扱いに移行する。

 

世界保健機関(WHO)は5月5日、新型コロナウイルス感染症について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当てはまらなくなったと発表し、「緊急事態宣言解除」を宣言した。

 

2020年1月に「緊急事態」を宣言してから約3年3か月、死者は公式発表で少なくとも全世界で700万人、実際には3倍近い2000万人に達している可能性があると言われている「新型コロナウィルス感染症」、終息は決してしないが、それへの対応は一旦収束ということになるのだろう。

 

日本国内においては、この3年間を振り返り、トータルで140兆円を投入したコロナ対策特別緊急予算の使い道や政府の対応などが検証されるのかもしれない。人類が初めて遭遇した新型コロナウィルス感染症、誰もが初めてのことで、その対応も過去の事例と照合して正しいとか間違っていると言える基準がない。

 

個人的には、現時点からそうした3年間を振り返り、結果論的に厳しい指摘が飛び交うのは避けて欲しいところ。みなその時できることを必死にやった。

 

コロナ真っ最中の2020年5月6日に下の記事を書いていたので、インラインで公式音源を挿入し、再掲した。

 

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<2020.5.6記事>

 

今日(2020年5月6日)の深夜2時1分、「緊急地震速報」が鳴って飛び起きた。すぐに子どもたちの部屋のドアを開けた。震央は千葉県北西部で震度4.東京は震度3~4。

 

最近、関東甲信越エリアで地震が頻発している。このコロナ禍の中、さらに大きな地震に見舞われた時のダメージの大きさは計り知れない。どうか地震がないよう、この世が無事安穏であることを祈る。

 

去年(2019年)の5月26日放送の「松山千春 ON THE RADIO」
 

番組の最後に自身の「祈り」をかける前のトーク。

 

「基本は愛ですね。俺さ、コンサートで自分が作った恋愛の曲を歌っていて、”よくこんなセリフの使いまわしできたなぁ””ここでこういうふうにメロディを上げていく…”。ギター一本で作っている曲たちだからな。恋愛の歌を歌っているときは、どっぶり自分に自分ではまる。(歌詞の場面に合わせて)”そうだよなぁ”とか”結果そうなるんだよなぁ”とか」
 

恋愛の歌について語っているが、要するに歌に自分の思いを込めて、その歌の世界に入りきって歌っていることを改めて語ったのだろう。

 

「祈り」は2006年11月1日にリリースされたシングルだが、リリース直前、「松山千春デビュー30周年コンサート・ツアー2006 『再生』 (秋)」の10月30日、たましんRISURUホール(立川市市民会館)で初めて聴いて、感動した。

 

 

大ホールと言ってもキャパシティは1,201席、歌う松山千春が至近距離。今でもあの歌っている時の姿を映像で覚えている。

 

若干文切りとは思うし、作った本人の気持ちは度外視して、あくまで聴く側の捉え方として「祈り」も恋愛の歌ながら、特に「神様がいるのなら ひつだけ祈りたい できるだけ穏やかな人生をあの人に」とのフレーズには、恋愛を超えて普遍的な祈りを感じている。

 

先月(2020年4月)19日の「松山千春ON THE RADIO」

 

自身のシングル「ヤーヤーヤーヤーヤー」「空と月」を弾き語りで歌い、最後に自身の「生きている」(2014年11月)をかけた。こうした状況下ということもあってか、心にしみわたった。

 

 

希望と絶望 くり返す旅

優しくなれるさ 強くもなれる

 

出来ればこの世が おだやかであれ

出来れば誰もが 幸せでれ

 

広く知られている曲ではないが、松山千春流フォークソングを代表する曲のひとつだと思っている。これもまたひとつの「祈りの歌」だろう。

 

他にも世界の平和や人々の無事安穏を祈る歌はいくつかある。

以下の「最後のチャンス」(2014年11月) 

 


無駄な戦いを続け 人は傷付き疲れる
君が愛した人さえ どこにいるのか

 

山はあわれな姿に 海は赤く血に染まり
君の大切な空は黒く垂れこめ

 

もしこの世に 神様がいるのなら
僕いつでも深い祈りを捧げる


恋愛の歌としか聞こえない歌に「実はフォークシンガーとしてこういうメッセージを託した」と、どこか後付け的な説明を加えるのではなく、歌で勝負、今こそ、フォークシンガーとして自分の思いを乗せて、ストレートにメッセージを託して欲しい。

 

どっぷりその歌の世界に入りきって、歌って欲しいと思う。

どうかこの禍が一日も早く収まるように。

 

かけがえのない日々に願いをこめて

どうぞこの世が 平和でありますように

(松山千春「TOUR」 1996年)